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ARCHION、トヨタ・ダイムラーと2200億円調達枠

2026年5月14日 (木)

M&A日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合で4月1日に発足したARCHION(アーチオン)は14日、トヨタ自動車とダイムラートラック(ドイツ)との間で、最大2200億円の資金調達枠に関する契約を締結したと発表した。統合後の事業運営を安定させ、財務の柔軟性を高める狙いだ。トヨタとは最大2000億円の新株予約権付社債契約、ダイムラートラックとは最大200億円の普通社債契約を結んだ。

ARCHIONは、日野と三菱ふそうを傘下に置く持株会社として発足し、東証プライム市場に上場した。トヨタとダイムラートラックという商用車・自動車大手2社が関与する枠組みで、開発、生産、調達、物流の統合を進める。

同社は国内トラック製造拠点を2028年末までに5拠点から3拠点へ集約し、日野の羽村工場をトヨタへ移管、三菱ふそうの中津工場を川崎製作所へ統合する方針を示していた。統合によるスケールメリットを掲げる一方、工場再編やITシステム統合、販売・サービス網の調整など、実務面の負荷は大きい。

今回の資金枠は、こうした統合初期の不確実性に備える性格が強い。トヨタ向けの新株予約権付社債は、未償還残高で2000億円を上限とし、41年4月1日まで発行できる。償還期限は原則3年で、発行後は繰上償還も可能とする。転換対象は無議決権のA種種類株式で、トヨタの議決権比率は20%未満に抑える想定だ。トヨタが国内で小型トラック事業や小型観光バス事業を営むことを踏まえ、競争法上の観点やARCHIONの独立運営に配慮した設計といえる。

ダイムラートラック向けの普通社債は、未償還残高で200億円を上限とし、29年4月1日まで発行できる。償還期限は原則3年で、こちらも繰上償還が可能となる。いずれも具体的な発行額、利率、発行時期は未定で、一定の財務指標を満たさない場合など、契約で定めた条件が整った場合に発行する。

同時に公表した27年3月期の連結業績予想では、売上高2兆4250億円、営業利益1100億円、税引き前利益1100億円、最終利益700億円を見込む。国内トラック・バス販売は8万台、海外販売は15万台を想定する。コスト上昇は続くが、販売台数の増加、部品・サービス事業の成長、継続的なコスト改善、円安が業績を押し上げる見通しだ。27年3月期からIFRSを任意適用するため、今回の業績予想もIFRSベースとなる。なお、経営統合に伴う負ののれん発生益は精査中で、業績予想と配当予想には含めていない。

一方、完全子会社化した日野自動車の26年3月期連結決算は、売上高が前期比7.8%減の1兆5653億3200万円、営業利益が同42.7%増の820億6300万円、最終利益が844億100万円だった。国内外でトラック・バスの販売台数は減少したが、固定費削減や価格改善が利益を押し上げた。前年に大きく膨らんだ北米認証関連損失が縮小したことも、最終黒字化の主因となった。ただ、カナダ市場での排ガス認証関連費用などを踏まえ、北米認証関連損失として369億700万円を特別損失に追加計上しており、認証問題の影響はなお残る。

日野の期末配当は無配とした。最終利益は844億円を計上したが、認証不正による損失が財務に与えた影響は大きく、財務基盤の回復・強化を優先する。ARCHIONとしては、世界トップ10の商用車メーカーを目指す成長投資と、旧日野の認証問題処理、国内生産再編を同時に進める。

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