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関西物流展で始めるスモールスタートDX

2024年4月12日 (金)

イベント物流効率化のためのとはいえ、DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションの導入、改装となるとどうしてもまとまった投資が必要となることが多い。しかし、できる範囲で行えるスモールスタートのDX化であっても、一定の効果は望むことができる。

例えば、今回の関西物流展に出展している企業であれば、X Mile(クロスマイル、東京都新宿区)の「ロジポケ」がその1つだろう。ロジポケは物流企業向けのバックオフィスクラウドサービスで出退勤や労務管理、配車、安全教育など多岐にわたる機能を実装している。これらのサービスをすべて使用すると、物流向けバックオフィスDXをフルパッケージ導入するのと同程度のコストがかかってしまうが、ロジポケの特徴は1機能ずつ利用できる点にある。

運行や点呼の記録や保存を行っていないと運輸局の監査の際に違反を指摘され、改善されなければ車両停止などの行政処分が行われる。これらを回避するために、必要となる機能のみを導入することができる。ドライバーの教育のために講座に行かせるまとまった時間がないのであれば、ことし2月から義務付けられたテールゲートリフターの安全講習だけをロジポケで受講させることもできる。

▲X Mile、ロジポケの出展ブース

倉庫においては、自動倉庫を導入した後に、現場の運用上追加したい機能が出てくることがある。しかし、綿密に設計されたシステムに、後付けで機能を加えることが難しいというのもよくある話である。こうした「かゆいところに手が届く」ソリューションを展示していたのがタクテック(文京区)だ。

タクテックがリリースしたLumina Logix(ルミナ・ロジックス)は、簡単に言うと「任意のLEDが点灯すると、それを検知して別の電子機器が作動する」というソリューションだ。

例えば、ピッキングするべきアイテムのタグが光ると、それを検知してほかのLEDを点灯させてアイテムのビンを明るく照らしだし、簡易的なプロジェクションピッキングができるのだ。これは実際、ピッキング対象となるアイテムのタグが光るだけでは作業者がどれをピッキングしたらよいか認識しにくく、作業の効率化が進まないという自動倉庫の課題解決のために生まれたソリューションなのだという。

「タグが光ったら、それに該当するビンのアイテムを取り出す」よりも「アイテムを取り出すべきビンが明るく照らされる」方がわかりやすいのは当然といえる。タグが光ったのを見てビンを認識するというプロセスを経ない分、作業者の習熟度に依存しないで効率化ができる。きっかけとなったピッキングシステムも、ビンをプロジェクターで照らす機器をシステムに組み込むことが難しかったため、こうしたアナログ発想で解決を図ったという経緯があるのだという。

ルミナ・ロジックスは光を検知して、別の電子機器を作動させるというシンプルなアイテム。光に連動させてアラート音を鳴らしたり、特定のゲートを開閉したりと、活用方法は無限にあるといってよいだろう。DXによる業務の効率化も、こうした「人の知恵」の集積なのだと気付かされるアイテムといえる。

猶予期間は終了、いよいよ問われる物流業界の本気

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LOGISTICS TODAY編集部
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