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世界10都市の物流施設賃料、東京がトップ

2013年2月12日 (火)

ECCBREが12日公表した、世界10都市を対象とした物流施設の賃料動向によると、国際的に物流施設を増強しているネット通販の小売業者と3PL事業者が、2012年第4四半期の成約案件のほとんどを占めていることが分かった。

今期は新規開発が少なかったこともあり、消費者の消費意欲の減退にもかかわらず、物流施設市場は安定して推移。多くの世界の主要都市の優良物件の賃料水準が維持された。

■世界主要都市の有料物流施設賃料ランキング(CBRE調べ)
都市名 ドル建て賃料(1ft2当たり年額) 増減率(%)
東京 21.33 1.9
ロンドン 20.32 0
シンガポール 17.58 0
ストックホルム 14.28 0
香港 13.03 1.4
シドニー 12.59 1.1
サンパウロ/カンピーナス 12.49 0.9
ブリスベン 11.74 0
パリ 11.02 0
パース 11.02 0

東京は、ネット通販業者と3PL事業者の需要が旺盛で、ランキングのトップに定着。第4四半期には既存のテナントの再契約時に賃料の値上げに成功した事例もみられ、賃料の上げ幅は1.9%の微増となった。

アジアの多くの市場と同様に、ロンドンとストックホルムでは、不確実性の高い環境の下、短期的な景気の見通しが芳しくなく、消費者・企業の消費支出と資本投資が少ないため、テナントの需要が抑制気味になっている。それにもかかわらず、優良スペースの供給が限定的なことから2012年第4四半期の賃料水準が維持された。

シンガポールでは、ハイテク、製薬、化学、エネルギー業界からの需要が見込まれ、2013年は多くの開発プロジェクトが予定されている。一方、香港はほとんどのプロジェクトが2014年に完成予定のため、賃料相場は堅調で、優良物件に対し高い賃料を支払う余力のある一部の物流業者やデータセンター業者からの安定した需要に支えられ、1.4%の微増となった。

シドニーは、テナント需要は抑制傾向にあるものの、高品質・好立地の物流施設需要が依然存在。こうした物件は空きが少なく、先行予約が広く行われており、優良物件賃料は若干増となった。