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世界の物流施設賃料、第1四半期も東京圏がトップ

2013年6月19日 (水)

ECシービーアールイー(CBRE)が18日に発表した世界の都市別優良物流施設賃料ランキング調査によると、東京はほかのアジア太平洋地域で不足している大型最新鋭物流施設の新規供給が多くの企業の関心を集め、継続してランキングのトップに選出された。

CBREが四半期ごとに実施しているこの調査で、賃料が高い都市は、東京圏、シンガポール、香港、シドニー、ブリスベーン、パースなど、アジア太平洋地域の都市が大部分を占めた。

東京は2013年第1四半期に物流施設の賃料が上昇した数少ない都市の一つで、同社は「背景に、3PL事業者とインターネット通販会社の旺盛な需要がある。供給は大きく増える見込み」と指摘。最新鋭施設の不足で、需要は依然として高水準を維持している。

13年に東京圏で新規供給される総面積はおよそ1100万平方フィートに上ると見込まれており、これらの施設の多くは100万平方フィート以上の面積を擁する最新鋭の大型マルチテナント型施設となる。

第1四半期に、優良物流施設の賃料が上昇したのは香港とパースだけで、香港のマーケットは、九龍東に入居していたテナントがビルの改築のため退去するなどの移転需要で活発化。パースでは、リース成約は低調にもかかわらず、供給が限られているため賃料がやや上昇し、液化天然ガス関連のテナントによる、高品質の大型施設に対する需要が依然として旺盛だった。ブリスベーンでは第1四半期に賃料の変化はなかったが、運輸・物流産業の需要で優良物流施設に関しては上昇傾向が見られた。

米国とカナダからランキング入りした都市はなく、南米からはサンパウロのみがランキング入り。欧州・中東・アフリカ(EMEA)からはロンドン、ストックホルム、パリの3都市がトップ10入りした。

CBREグローバルチーフエコノミストのレイ・トート氏は「3PL事業者と小売業者が主な需要者となっている優良物流施設市場のほとんどの都市で、賃料水準に動きはなかった。東京は拡張需要で前四半期と比べ5.8%賃料が上昇した。優良物件が極めて限られているため、局所的な上昇が香港、そしてパースでも若干みられた。2013年第1四半期の賃料上昇が限定的だったのは一部にはスペース集約などにみられるコスト抑制の影響とみられる。但し立地条件の良い大型の優良物件を見つけることは依然難しく、高額なため、移転を検討している企業にとって、希望を満たす選択肢は限られていた」と話している。

■世界主要都市の優良物流施設賃料ランキング

都市米ドル建て2013年第1四半期の賃料(1平方フィート当たり年額)増減率(現地通貨建て)
東京圏20.7+5.7
ロンドン18.990.0
シンガポール17.320.0
ストックホルム14.220.0
香港13.31+2.3
サンパウロ/カンピーナス12.490.0
ブリスベン11.71-0.3
シドニー11.10.0
パース11.07+0.4
パリ10.720.0