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首都圏・近畿圏の物流施設空室率が大幅改善、CBRE調べ

2012年1月20日 (金)

拠点・施設シービーアールイー(CBRE、東京都港区)は25日、首都圏、近畿圏の2011年第4四半期の大型マルチテナント型物流施設の市場動向を発表、空室率は改善傾向が継続し、首都圏は5.2%へ、近畿圏は2.9%へと大幅に改善することが分かった。また、高稼働を背景に大型優良物件に対する品薄感が強まり、物流施設への開発投資意欲も高まるとしている。

 

2011年第4四半期の首都圏の空室率は、前期から0.4ポイント改善し5.2%となった。今期は前期に引き続き大型新築物件に対する底堅い需要が見られ、2期連続の改善となった。

 

今期の需要としては、一般消費財を扱う企業のコスト削減を目的とした優良物件への統廃合移転や新規開設などが見られた。こうした中、2011年に竣工した大型物件のほとんどが満室、高稼働となっており、限られた募集区画に対して複数の引き合いが見られる状況にあるため、優良物件に対する品薄感はますます強まる傾向が見られるという。

 

近畿圏は、今期も新規供給はなく、しばらく大規模空室を抱えていた物件の空室消化が進んだことで、空室率は対前期比2.9ポイントの大幅改善を見せ、過去最低水準である2.9%まで低下。

 

また、約2年振りの大型供給となるマルチテナント型物流施設の竣工が5月に予定されており、今後の需要をさらに喚起する効果が期待されている。競争力のある優良物件で高稼働が継続していることを背景に、新たな開発計画の動きも出てきている。

 

CBREインダストリアル営業本部の田口淳一マネージングディレクターによる分析
「今後2013年までの新規供給は、現時点では平均的な供給量となる見込みで需給バランスが大きく崩れることは考えにくい。消費財を扱う会社の統合移転は今後も一定の需要が見込まれ、新規供給によるさらなる需要創出効果も期待できる。ただし、今後新たに開発計画が発表され供給量が上積みされる可能性が高いため、エリアによっては供給が集中する懸念もあり、一時的に空室率が上昇する局面も考えられることから、今後の動向を注視する必要がある。賃料水準の底打ち感は前期に比べるとより強くなってはいるものの、移転はトータルコストの削減を前提とした拠点再編が中心であるため、賃料水準が上昇局面に移行するにはまだ時間を要すると考えられる」