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両備HD、ベトナムの物流会社に資本参加

2013年3月14日 (木)

ロジスティクス両備ホールディングスはこのほど、ベトナムの大手物流会社「トランシメックス・サイゴン」(サイゴン運輸)に資本参加すると発表した。

同社はこれまで、ベトナムで駐在員事務所を立ち上げ、6月の現地法人化を目指してきたが、今回の資本参加が確定したことから、現地法人の設立は当面見合わせることとなった。

サイゴン運輸は、ホーチミン市に本社を構える物流会社で、陸上輸送、海上・航空輸出入サービス、通関代理業、倉庫、不動産賃貸業など幅広い事業を手掛けている。陸上輸送車両は、トラクターヘッド50台、セミトレーラー150台を保有。年間の海上・航空輸送量は、海上輸送が35万トン、航空輸送が2000トンで、倉庫・通関業に関連する土地9万422平方メートルを保有している。2012年3月期の売上高は2812億3300万ベトナムドン(12億5992万円)。

両備HDは東南アジアへの進出を目指し、事業展開を進めてきたが、その一環としてサイゴン運輸の持分24.9%を取得し、資本参加することとなった。「筆頭株主の立場となるが、経営のコントロールでなく、パートナーシップの構築を目指す」としている。

これにより、ベトナム発着物流の取り込みと、同社の物流事業ノウハウを提供することでサービスの向上を図り、国内外の顧客に対し、ベトナムで高品質なサービスを提供できるようにする。

グループ会社のリョービツアーズを通じ、サイゴン運輸の視察をしたことがきっかけとなり、「自社だけでの事業構築より、現地で定評のある物流企業とパートナー関係を結ぶことで、よりスピーディにサービスの提供ができる」と判断し、資本参加に踏み切った。

サイゴン運輸は、上場企業でありながら実質的にはオーナー企業として運営されており、「経営スピード感などの経営哲学が一致した」という。

CFS、内航フィダー船、トレーラー、シャーシ、保税倉庫、冷凍冷蔵倉庫を自社運営するなど、ファシリティーが充実しており、総合物流企業としてのワンストップのサービス提供ができること、特にホーチミン市中心部に近い場所で、大型の物流拠点を持っており、物流拠点の利便性が高いこと――などから、資本参加を決めた。

さらに、北米・欧州・東アジアなど世界70か国以上にネットワークを展開し、対米・対日本との航空・海上貨物輸送が盛んで、両備HDでは「今後はアジアンハイウェー(東西回廊・南北回廊)を活用した陸路での輸送貨物も増加する」と見込んでいる。

サイゴン運輸側のメリットとして、両備HDでは「日系ブランドが資本参加することで日系企業への安心感を与えることが可能になり、日系企業の取引拡大が目指せる」と説明。ベトナムへの日系製造業の進出が続いていることから、それぞれの強みを発揮した営業拡大を目指し、既存顧客への改善提案活動も積極的に展開する方針。