M&Aマレーシアの建設・インフラ企業YTLコーポレーション・バーハッドは23日、子会社のYTLセメントが98ホールディングスからNSLリミテッドの株式3億348万4453株を2億2761万3339.75シンガポール・ドル(7923万2203リンギット)で買収する契約を締結したと発表した。これにより、YTLセメントのNSLに対する持ち株比率はおよそ81.24%となる。買収後、YTLセメントはNSLの残りの株式を0.75シンガポール・ドル(2.61リンギット)で買い付ける義務が生じる。
NSLはシンガポール証券取引所に上場しており、プレキャストコンクリート部品やプレハブ浴室ユニット(PBU)などを提供している。NSLはマレーシア、ドバイ、フィンランド、シンガポールで事業を展開し、特にシンガポールでは化学廃水や油性廃水の処理と物流サービスを提供している。フィンランドの子会社はクルーズ船向けの防火扉の設計と供給をしている。
この買収により、YTLセメントはプレキャストコンクリート部材事業と環境サービス事業で相乗効果を期待している。NSLの事業はYTLセメントのセメント事業と相乗効果があり、革新的なソリューションの開発をサポートできる。また、NSLの環境サービス事業を通じてYTLセメントの環境サービス事業をシンガポールに拡大することができる。
買収の条件として、YTLセメントはマレーシア中央銀行の承認が得られ次第、買収は2024年第4四半期までに完了する予定。買収は現金で行われ、YTLコーポレーションの株式資本や株主の保有株式には影響を及ぼさない。2023年6月30日時点の連結財務諸表に基づき、純資産や1株当たり純資産、ギアリングに対しても重大な影響はないとされている。また、2025年の業績にも直ちに影響を与えないが、長期的には収益にプラスの影響を与えると予想される。
売り主の98ホールディングスは投資対象資産の保有を事業内容とし、資本金は1000万シンガポール・ドルである。買収後、YTLセメントはNSLの株式81.24%を保有することになる。
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