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世界SC分析市場売上、10年で4.5倍超に成長

2024年8月7日 (水)

調査・データ米市場調査会社パノラマデータインサイトは7日、世界のサプライチェーン(SC)分析市場は2023年から32年にかけ、年平均で18.4%成長し、売上高は4.6倍に拡大するとの予測を公表した。

同社によると、23年の世界のSC分析市場は75億4000万ドルに達し、10年後の32年には343億7285万ドルと4.5倍以上に急拡大する。現在、北米市場が、強固な技術インフラと高度なアナリティクスの早期導入を背景に市場をリードしているが、今後はアジア太平洋地域が技術導入の増加とSC業務への多額の投資で急成長。最も高い成長率を記録するとみられる。

同社の分析によると、市場の拡大を後押ししているのは、業務の効率化と効果的なSC管理に対するニーズの高まりで、特にクラウドベースのサービスを採用する企業が増えている。こうしたサービスは、使いやすさやシンプルな統合、俊敏性、コスト効率、拡張性、堅牢なプランニング機能が特徴で、SCオペレーションに関する詳細な分析や見通しを提供し、生産性の向上や無駄の削減、在庫予測の向上、顧客との関係改善などが期待できることから、顧客からの支持を拡大している。

また、製造業や運輸業、小売業など、さまざまなセクターで扱うデータが増加しているため、大規模なデータセットを管理し、そこから価値を引き出せる高度な分析ツールに対する需要も高まりをみせている。さらにSC分析ツールにビッグデータ技術が統合され、より深い分析と予測が可能になったことから、市場の成長をさらに後押ししている。

今後の市場拡大の阻害要因として、同社は熟練したITプロフェッショナルの不足と指摘し、30年までに、特にテクノロジー分野でのスキル格差によって、世界全体で8500万人以上の雇用が不足する可能性があるとした。

一方で、ブロックチェーン技術をSC分析に統合させる傾向が強まっており、今後、ブロックチェーン技術が市場の成長を支えていく可能性が高い。ブロックチェーンは、在庫・倉庫管理業務を自動化するとともに、ITインフラと分析能力を強化し、SC業務の透明性を向上させられることから、在庫・調達取引での説明責任を強化し、トレーサビリティーや効率性を高める。また、人工知能(AI)と機械学習(ML)も、より優れた需要予測とリスク管理のため、SC分析に組み込まれるようになってきており、リアルタイムの意思決定と業務調整を可能にし、より弾力的なSC構築につながると期待される。

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LOGISTICS TODAY編集部
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