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在庫管理ソフトウェア市場は年8.7%の成長と予測

2024年8月7日 (水)

調査・データ米市場調査会社のアライド・マーケット・リサーチは1日、世界の在庫管理ソフトウェア市場は今後、2032年まで年平均8.7%成長するとの予測を公表した。電子商取引(EC)の拡大と効率的なサプライチェーン管理に対するニーズの高まりが市場を後押しする。

同社によると、在庫管理ソフトウェア市場規模は2023年に23億ドルとなり、今後は24年から32年にかけて年平均8.7%で成長。32年には48億ドルに達する。

AI、IoT、ブロックチェーンなどの高度なテクノロジーとの統合によって、在庫管理ソフトウェアの機能が強化され、企業の満足度が高まっているのが成長の原動力となっている。一方で、ソフトウェア導入時のコストや、実装とトレーニングに関連する費用が、市場の成長の障壁となっているほか、データセキュリティとプライバシーに関する懸念が、サービスの導入をためらう要因になっている。

こうした課題にもかかわらず、さまざまな業界で自動化とデジタル化の需要が高まり、クラウドベースのサービスを求める傾向が高まっていることから、市場拡大の傾向は続くとみられる。さらに、運用を最適化してコストを削減するリアルタイムの在庫追跡と分析の重要性も高まっているため、在庫管理ソフトウェアの採用は世界中で進むと同社は予想している。

システムの使用形態でみると、自社運用が最も多く、23年には世界の在庫管理ソフトウェア市場の収益の4分の3を占めた。今後もこの傾向は続く可能性があるが、クラウドによる運用も24年から32年にかけて大きく伸びる可能性がある。

アプリケーション別では、在庫管理と追跡機能が23年に世界市場の収益のほぼ5分の2を占め、今後も同様の傾向が続く可能性が高い。在庫管理と追跡機能は、在庫レベルを最適な状態に保ち、過剰在庫や不足のリスクを軽減できる。一方で、バーコードスキャナーがサプライチェーン全体の在庫の動きを追跡するために広く使用されていることから、スキャンとバーコード機能は24年から32年にかけて最も成長するとみられる。

企業規模でみると、大企業が23年の市場収益のほぼ3分の2を占めた。大企業は管理の難しい膨大な在庫を抱えており、今後も同様の傾向が続くとみられる。

業界別では、ヘルスケアとライフサイエンスの分野が24年から32年にかけてもっとも成長すると予測される。医療などのヘルスケア事業では、効果的な医療在庫管理が不可欠であり、在庫管理ソフトウェア市場の成長を刺激すると予想される。

地域別では、北米のシェアがもっとも多く、23年の世界市場の収益の半分を占めた。高度なテクノロジーの広範な採用や主要な市場プレーヤーの存在に加え、小売りや製造、ヘルスケアなどさまざまな業界での効率的なサプライチェーン管理と自動化に対する高い需要などが要因で、今後もこの傾向は続くと予想される。北米の企業は、パーソナライズされた顧客体験、セルフサービスオプション、在庫最適化のための高度な分析といった消費者のニーズと嗜好を満たすための新しいサービスの開発を続けており、地域の市場成長をさらに推進していく。

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LOGISTICS TODAY編集部
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