ロジスティクスアイオイ・システム(東京都品川区)と東芝インフラシステムズ(川崎市幸区)は8日、業界初のマイクロ波給電技術を使い、表示器の電池交換が必要ないデジタルピッキングシステムの開発に成功したと発表した。両社は共同開発したシステムを9月10日から東京ビッグサイトで開かれる「国際物流総合展2024」で、デモンストレーション展示する。
アイオイ・システムが事業展開するデジタルピッキングシステムは、デジタル表示器を利用した作業支援システム。表示器のランプが光った場所に足を運び、表示された数だけ商品を取り出すことで、誰でも簡単に、すばやく正確なピッキング作業ができる。しかし、表示器の電池が切れることで作業が止まり、電池交換のために作業工数がかかることが課題となっていた。
両社は、22年に技術提携し、東芝インフラシステムズのマイクロ波給電技術を使って、無線で給電できるシステムの開発に取り組んできた。
マイクロ波給電は、一台の送信機から数メートル離れた多数のデバイスに給電できる空間伝送型ワイヤレス電力伝送技術で、国内では3つの周波数帯の利用が認められている。両社は、このうち最も大電力の給電が可能な5.7GHz帯を活用したマイクロ波給電をデジタルピッキングシステムに導入して安価なシステムを構築。2023年8月には、送電機と表示器(受電器)35台を用いた給電実証を行い、送電機から全表示器に無線電力伝送ができることを確認した。
これによって、表示器の充電切れによる作業の停止をなくし、電池交換など表示器のメンテナンス時間も大幅に削減する。
アイオイ・システムは国際物流総合展にTOPPANエッジ、TOPPANデジタルと3社合同で出展する予定で、今回のシステムはTOPPANグループのブースで展示される。
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