行政・団体両備システムズ(岡山市)は2日(月)、「ICT事業の進捗と今後の展望について」としてメディア向け説明会を行った。説明会では代表取締役兼CEOの小野田吉考氏が、同社の業績や長期的なビジョン、展開予定のソリューションなどを説明した。
同社のICT(情報通信技術)事業は非常に堅調で、23年はグループ連結売上は1598億円を計上。それを下支えしているのが自治体システム関連事業だ。昨今、デジタル庁主導のもと、自治体情報システムの統一・標準化が進められている。同社では24年には707団体からの受注があったが26年には900団体からの受注を目指す。
こうしたニーズについては「自治体システムの標準化にあたり、特需が生まれた」(小野田氏、以下同)としつつ、2025年には関連する同社の売り上げがピークに達すると見る。しかし、需要が一服はするものの「システムの導入後もメンテナンスなどの、需要が発生しており、売り上げはわれわれが想定していたほどは落ちない」とし、経営基盤の堅調さをアピールした。
同社ではこうした官需による安定した収益を基盤に、民需の拡大を目指しており、その分野の1つとして物流関連システムの開発に着手しているという。その1つがファッション・アパレル業界向け統合システム「Sunny-side(サニーサイド)」の開発だ。これは生産、販売、物流、小売に至るまでの、アパレル業界の業務全体を一気通貫で管理できるシステム。両備システムはすでにバース入退場管理システムの「R-Teams(R-チームス)」や、倉庫に入ってきた建築資材などを画像で即時カウントできる「Count shot(カウントショット)」といったソリューションを展開している。すでにバース入退場システムには手応えを感じている様子で、「われわれのソリューションなら荷待ち・荷役時間を最大60%減らすことができる」と自信をのぞかせた。さらに同社はロジスティードソリューションズ(東京都江東区)とパートナーシップを結び、WMS(倉庫管理システム)などの開発に取り組むとしている。これらのシステムを連携・連動させるのがSunny-sideの役割だ。
これらの取り組みを通じて、同社は30年までに物流関連の売り上げ30億を目指すという。小野田氏は「マテハン機器の開発にも取り組みたい」と強い意向を示す一方、「物流は奥が深く、業界すべてを網羅することはできない。アパレルや製造など、両備システムズならではの強みを獲得することが重要」とし、現在開発中のSunny-sideを端緒に、アパレルなどの領域へのソリューションの深化の意向を示した。
両備システムズは3日(火)と4日(水)、都内で「両備共創DX2024」と銘打ったイベントを開催する。今年で4回目を迎える今回は「クラウドサービス」「DX業務ソリューション」「カーボンニュートラル」「セキュリティ」の4つの観点から、物流や交通、アパレルなど、各業界のDXに関するソリューションの発表、有識者によるトークセッションなどが行われる予定だ。
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