調査・データ帝国データバンク(TDB)は8日、2023年度の出版社の業績は「赤字」が36.2%を占め、過去20年で最大となったとする調査結果を発表。ことしに入ってからも、有名雑誌の休刊・廃刊が相次いでおり、出版業界の苦境は続いている。
同社が出版社652社に、23年度の業績を尋ねたところ、赤字が36.2%のほか、「減益」も29.6%となった。赤字と減益合わせた、業績が悪化しているとする企業は全体の65.8%を占めた。一方、「増益」だったとする企業は32.1%、「前年並み」は2.1%だった。
また、負債1000万円以上の出版社の倒産・休廃業の件数は23年1年間で65件。ことしも1月から8月までで46件に達し、昨年と同じペースで推移している。
ことしは、月刊芸能誌「ポポロ」をはじめ、女性ファッション誌「JELLY」やアニメ声優誌「声優アニメディア」など有名雑誌の休刊や廃刊が相次いでいる。購読者の高齢化に加え、若者層の間で電子書籍の普及が進んだことや、ネット専業メディアの台頭で、紙の雑誌・書籍の売り上げは1996年をピークに減少が続いている。
同社は「業界大手書店が返本を減らす取り組みを進めるほか、特色あるテーマや編集スタイルで業績を伸ばす雑誌や出版社もあるが、ヒット本や雑誌の発刊は容易ではない。出版コストの増加で経営体力が疲弊した中小出版社の休廃刊、倒産や廃業といった淘汰が進むとみられる」と分析している。
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