調査・データ全日本トラック協会(全ト協)は13日、トラック運送事業の賃金・労働時間に関する実態調査結果(2023年度版)を公表した。
調査は、トラック運送事業に携わる従業員の賃金や労働時間、福利厚生などの実態を把握し、労働環境改善に向けた基礎資料とするため、毎年1回行っている。今回の調査は昨年10月に全国の事業者4614社へ調査票を郵送し、今年2月末まで回収。675社から有効回答を得た。
調査結果によると、昨年5月から7月にかけて支給された1か月平均賃金は特別積み合わせ貨物自動車運送事業者(特積み)が30万1500円となり、前年度比で6.6%減少。一般貨物自動車運送事業者は33万800円で0.5%増となった。年間賞与の1か月平均額を加えた月額金額では、特積が36万500円(同4.0%減)、一般は37万2200円(同0.6%増)となった。
運転者から事務員、荷扱手、整備・技能員までの全職種では、1人1か月平均賃金が31万8900円(同2.5%減)、年間賞与の1か月平均額を加えた月額は36万7400円(同1.3減)となった。
事業の中核となる運転者のうち、男性運転者(けん引、大型、中型、準中型、普通)の賃金は特積が31万7200円(同6.8%減)、賞与分を加えると37万7000円(同4.6%減)。一般は34万5400円(同0.5%増)となり、賞与分を加えた月額は38万円(同1.5%増)となった。
特積と一般を合わせた男性運転者全体の平均賃金は33万3500円で同2.6%の減、賞与を加味した月額は37万8800円(同1.0%減)となった。
男性運転者の職種別賃金は、特積で大型、けん引、中型、準中型、普通の順で高く、一般ではけん引、大型、中型、準中型、普通の順となった。大型の運転手と普通の運転者の賃金の差は、特積で月額7万5200円、賞与を加えて6万4300円。一般での賃金差は月額7万2700円、賞与を加えて7万7400円となっている。
トラック運送事業従業員の平均年齢は、男性運転者が49.0歳で前年に比べ0.6歳上がった。男女合わせた全職種の平均は47.6歳で0.5歳上がった。
特積み事業については、長期的な受注の減少傾向に歯止めがかからず、調査でもサンプル数が減少。このため、今年実施する調査からは、特積み事業と一般事業を分けずに集計する。