
▲藤原運輸の新しい危険物倉庫「大正ケミカルセンター」
拠点・施設藤原運輸(大阪市西区)は25日、10月から稼働する危険物倉庫「大正ケミカルセンター」(大正区)の見学会を実施した。同施設の建設にあたって、藤原運輸が施主、三和建設(淀川区)が設計を担った。
大正ケミカルセンターは敷地面積1万1524平方メートル。A、B、Cの常温3棟、5-20度の間での温度管理が可能なD棟の計4棟から成る。C棟はひとまず常温での稼働になるが、温度管理対応型の倉庫に拡張することが可能だ。このような仕様にした理由について、三和建設大阪本店次長で一級建築士の松本孝文氏は「医薬品や化粧品の原料、半導体関係の部品、リチウムイオン電池など、温度管理を必要とするものの需要が高まっている」と、将来的にニーズを見越しての設計であると説明した。

▲三和建設の松本孝文氏
大正ケミカルセンターがほかの危険物倉庫と一線を画すのは外壁の素材。一般的な倉庫の外壁がALC(軽量気泡コンクリート)で作られているのに対し、同施設は金属サイディングを採用している。ALCの外壁は仕上げに塗装をする必要があり、10年スパンでのメンテナンスが必須だが、金属サイディングはほとんど手入れが必要なく、「イニシャルコストはかかるものの、ランニングコストを抑えられる」(松本氏)のが利点だ。また、金属サイディングは断熱性能が高く、庫内温度の上昇を抑えられるため、温度の上昇に敏感な危険物を保管する倉庫にはうってつけの素材といえるだろう。
藤原運輸の藤原慶之氏によると、「元々は藤原運輸が所有する鋼材倉庫があったが、収益性を高めるために危険物倉庫に切り替えることにした」という。さらに「今回、ここに危険物倉庫を建てられることになったのは、この場所が工業専用地域だから。大阪市内には危険物倉庫を建てられる場所がほとんどない」とし、立地面での強みがほかの危険物倉庫との差別化になるとの考えを示した。
今後の展望について藤原氏は「これからは特殊倉庫に力を入れたい。もともと鋼材を扱っていたこともあり、次は重量物を保管できる倉庫が欲しい」と話した。

▲(左から)藤原運輸の藤原慶之氏、松本氏
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