行政・団体全日本トラック協会(全ト協)の坂本克己会長が3日の記者会見で、来年6月の通常総会をもって会長職を退任すると発表した。坂本会長が体調不良を理由に、任期終了後に会長職を辞退する意向を表明したことによるもの。後任には、愛知県トラック協会の会長を務める寺岡洋一全ト協副会長が指名され、ほかの副会長らから満場一致の賛同を得た。
坂本会長の退任表明の経緯

▲来年6月をもって会長職の辞意を表明した全ト協・坂本克己会長
坂本会長は、1938年10月27日生まれの86歳。6月の正副会長会議で「来年の通常総会を機に、もう1期会長職を務めたい」と強い意欲を示していた。しかし、その後の9月11日、再び開催された正副会長会議にて、坂本会長は突然「体調が思わしくなく、かかりつけ医から無理をしないよう指示された」と述べ、次期総会をもって会長職を辞任する意向を示した。
副会長らも突然の退任表明に驚いたものの、健康上の理由ということから、坂本会長の決断を受け入れざるを得なかった。また、会議の中で副会長らは、退任後も業界全体に対して大所高所からアドバイスを続けてほしいとの要望を伝えた。
後任会長として寺岡洋一氏が指名される

▲次期全ト協会長に内定した寺岡洋一氏
9月18日、正式な正副会長会議が行われ、坂本会長から次期会長候補者として寺岡洋一氏の名が発表された。会議では即座に満場一致で賛同が得られ、寺岡氏が次期会長に内定した。
寺岡洋一氏は、1956年生まれの68歳であり、現在愛知県トラック協会の会長を務めている。坂本会長との年齢差が大きいことから、世代交代の象徴的な人事といえる。寺岡氏は「自分よりも経験豊富で優れた副会長がほかにもいる」としながらも、全ト協からの期待に応え、次期会長としての重責を引き受ける決意を固めた。
寺岡氏は、「偉大な坂本会長の後任として、全力を尽くす」と述べると同時に、「温かい目で見守っていただきたい」とメディア関係者に対しても協力を呼びかけた。
業界の期待と2024年問題への対応
坂本会長の退任と寺岡氏の次期会長就任は、全ト協のみならず業界全体に大きな影響を与えると見られている。
特に、2024年問題(働き方改革の影響による物流業界のドライバー不足やコスト増加問題)を迎えるにあたり、次期会長としての寺岡氏のリーダーシップが重要となる。坂本会長もこれまで業界の課題解決に尽力してきたが、今後、寺岡氏がどのようにこの難題に取り組んでいくかに注目が集まっている。
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