調査・データ西日本電信電話(NTT西日本)富山支店は9日、イベント企画会社のKKTエンタープライズ(熊本市中央区)と物流会社のJ・MADE(東京都中央区)が進める冷凍中食の米国販路開拓事業と連携し、9月19、25日に、需給マッチングプラットフォームの実証を行ったと発表した。
NTT西日本富山支店では水産業の持続的成長に向け、水産業界のサプライチェーン最適化を図るため、需給マッチングプラットフォーム、コールドチェーン、越境EC(電子商取引)の3機能から構成されるバリューチェーン構築の検討を進めており、需給マッチングプラットフォームを完成させた。
一方、KKTエンタープライズは全国商工会連合会の共同・協業販路開拓支援補助金活用プロジェクト「冷凍中食でニッポンの「旬」を「瞬」でアメリカ市場へ」を主体となって推進。同富山支店とバリューチェーン構築検討を行っていたJ・MADEも同プロジェクトに参加することになったことから、プロジェクトの一環として需給マッチングプラットフォームの実証実験を行うことになった。
同プラットフォームは、生産者の商品と国内外バイヤーの需要をマッチングし、生産者の販路拡大や、バイヤーの仕入れ先拡大を図る。これによって「新しい販路を拡大したいが、どうやって良いか分からない」、「海外販路の開拓をしたいが、海外の商習慣、言葉が分からない」といった生産者の悩みや、バイヤーの「隠れた名産品を探したい」、「商品開発をしてくれる生産者を探したい」といったニーズに対応する。
主な機能として、需給マッチングや商品動画閲覧、受発注のほか、商談や商品開発リクエストもできるようになっている。また、自動翻訳機能もあり、海外との商談をサポート。今後はオークションやSNS連携、決済などの機能を追加することも検討している。

▲ロサンゼルス商談会の様子(出所:NTT西日本)
実証実験は9月にニューヨークとロサンゼルスで開催された商談会で実施され、需給マッチングプラットフォームを会場でデモ運用。商談会に出品される日本の商品を画面上で検索できるようにして、米国のバイヤーらに実際の使い勝手を体験してもらった。
商談会には富山の鮨蒲や三重の蒸し牡蠣、岩手の魚生ハムなどの冷凍食品が出品され、現地のバイヤーやレストランオーナー、飲食関係者等が参加。「はじめての食材も多く、冷凍とは思えない食感とコクがある」と好評だったほか、プラットフォームについても「地域性や特徴、ストーリーがわかりやすい」「バイヤーから生産者へのリクエスト機能は特長的で面白い」といった声が聞かれた。
同富山支店はバリューチェーン構築によって、「儲かる水産業」の実現を目指している。需給マッチングプラットフォームについては、今後もアンケートなどによるユーザーニーズの把握を重ねて機能追加を検討し、将来的なサービス化を目指す。
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