M&A鉄鋼メーカー、大和工業(兵庫県姫路市)グループは11日、取引関係の深い兵機海運(神戸市中央区)との資本提携や業務提携を進めるため、同社の株式を市場から追加取得すると発表した。兵機海運(神戸市中央区)に対しては、富洋海運(大阪市北区)が子会社による株式公開買い付け(TOB)を表明しており、対抗措置とみられる。
兵機海運は鋼材輸送など国内貨物輸送を主力としているが、外航海運業を手掛ける富洋海運の子会社、堂島汽船が先月18日に兵機海運との資本業務提携を目指し、TOBによって株式を取得すると発表した。買い付け価格は1株3250円で、発行済み株式の2割取得を目指している。
これに対し、兵機海運は意見表明を留保する一方、富洋海運側に質問書を提出。大和工業グループとの間で資本業務提携の協議を開始した。同社は大和工業が国内で生産する鋼材の輸送や倉庫の運営などを請け負うなど関係が深い。
大和工業は9月末時点で同社株を0.84%(議決権ベース)保有しており、追加取得する株式数などは未定だとしている。追加取得について「両社の協業関係をより強固にし、兵機海運の独立性を維持しつつ、長期的に持続可能な物流体制を築くため」だとしている。
一方、富洋海運は、兵機海運と大和グループとの関係について「重要性は理解しており、(TOBによって)既存の取引関係が阻害されるという懸念も生じない」とする一方、大和グループへの依存度を更に高めることにつながる業務提携は、慎重に検討すべきだと主張している。
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