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TOB提案の富洋海運Gが兵機海運に回答書

2024年11月7日 (木)

M&A鋼材輸送など国内貨物輸送を主力とする兵機海運(神戸市中央区)に対し、子会社による株式公開買い付け(TOB)を進めている富洋海運(大阪市北区)は6日、兵機海運からの質問書に対する回答報告書を提出したと発表した。同社は、TOBは兵機海運の既存の事業を尊重しつつ、事業拡大を目指すものだとしている。兵機海運は、今後の対応を社外取締役らで構成する特別委員会に諮問したとして、意見表明を留保している。

富洋海運グループは外航海運業務を中心に展開しており、先月18日に子会社の堂島汽船が兵機海運との資本業務提携を目指し、TOBによって株式を取得すると発表した。買い付け価格は1株3250円で、発行済み株式の2割取得を目指している。買い付け期間は10月18日から今月29日まで。

これに対し、兵機海運はTOBに関する事前協議がなかったとして、TOBの目的や手法、展望、資金計画などについて尋ねる質問書を提出。それとともに、以前から取引のある鉄鋼メーカー、大和工業(姫路市大津区)グループとの間で資本業務提携の協議を開始したと発表した。

富洋海運は、回答書の中で、改めて「兵機海運の既存事業の運営を尊重しつつ事業拡大を目指していくものであり、二者択一で既存事業の縮小を迫るものではない」とTOBの目的を説明。大和グループとの関係についても「重要性は理解しており、既存の取引関係が阻害されるという懸念も生じない」としている。

一方で、有価証券報告書にも「大和グループを含む高比率売上先の動向が事業上のリスク」として記載されているとして、大和グループへの依存度を更に高めることにつながる業務提携は、慎重に検討すべきだとした。

そのうえで、資本業務提携で富洋海運グループの外航輸送のノウハウが加われば、大和グループにとってもメリットがあるとし、提案への理解を求めた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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