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世界の貨物輸送市場は32年に186億ドル規模

2024年11月15日 (金)

調査・データ調査会社のReport Ocean(レポートオーシャン)は14日、世界の貨物輸送市場は、今後2032年まで年平均3.71%の着実な成長を続け、185億9000万ドルの規模になるとの予測を公表した。

同社によると、世界の貨物輸送市場は2023年に134億ドルに達した。特に長距離輸送での費用対効果が高く、環境に優しい海上輸送が大きな役割を果たしている。造船の進歩によって、より堅牢で高性能な船舶が製造されるようになり、石油や天然ガスなどのかさばる商品や一般貨物の輸送効率が向上している。

一方で、世界市場は貿易摩擦の激化という課題に直面しており、特に米中の貿易摩擦は、太平洋横断航路に多大な影響を与えている。関税の引き上げはコスト上昇と需要の減少につながり、製造拠点を中国から東南アジアや東欧にシフトせざるを得なくるなど、従来の貿易の流れや投資計画を混乱させている。

産業別では、大量の石油製品などが世界各地に輸送されることから、石油・ガス分野の需要が23年の市場をリードした。また、貨物タイプ別では、鉄鉱石や穀物のようなバルク商品の大量輸送を担うドライカーゴ部門が大きなシェアを占めており、今後も市場をリードし続けると予想される。

地域別では、欧州で電気自動車(EV)充電インフラへの大規模投資に支えられてEV所有者が増えていることから、多様なニーズに合わせた包括的な製品とサービスで市場が拡大している。

アジア太平洋地域は、世界の製造業の中心として、今後も市場をけん引し続けるとみられる。同社は「米中貿易摩擦にもかかわらず、東南アジアへの製造業のシフトは、地政学的緊張にともなうリスクを軽減し、地域の成長を促進する」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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