拠点・施設セイコーエプソンは19日、国内2拠点に総額160億円を投資し、インクジェットプリンター用のコア部品である次世代プリントヘッドの新規生産ラインを構築、量産を開始したと発表した。まずは今年度発売するビジネス系と産業系のプリンターから段階的に搭載していく。
次世代インクジェットプリントヘッドの生産ラインの立ち上げは難度が高いことから、同社が技術開発の集積地としている国内に立ち上げる。諏訪南事業所(長野県諏訪郡富士見町)と東北エプソン(山形県酒田市)で、13年度までの3年間で総額160億円を投資する。
諏訪南事業所では、プリントヘッド製造の前工程を受け持ち、プリントヘッドのコアとなる超微細MEMS構造部の製造を行う。東北エプソンでは、後工程としてプリントヘッドの組み立て作業を行うが、同社のFAロボット技術も駆使して完全自動組み立てラインを構築することで、生産性と品質についても飛躍的な向上を図る。
日本国内で一貫生産を行うことで、次世代プリントヘッドに関する技術的ノウハウの蓄積を図るとともに、生産技術を盤石なものとし、コア部品製造の役割を担う国内生産拠点の競争優位性を向上させる狙い。