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多重下請構造検討会「手数料明示しない」が過半数

2024年11月28日 (木)

▲国土交通省・自動車局長の鶴田浩久氏

ロジスティクス国土交通省は荷主が依頼した仕事が元請け企業から下請け、孫請けへと流れる多重下請け問題を議論する「第2回トラック運送業における多重下請構造検討会」を28日に同省内で開いた。委員は流通経済大学名誉教授の野尻俊明氏など4人、オブザーバーは全日本トラック協会副会長の平島竜二氏など13人、国土交通省からは6人が参加した。会の冒頭、国土交通省・自動車局長の鶴田浩久氏は「物流、特にその基盤を担うトラックの労働環境を改善し、賃上げにつなげることが基本です。そのためにも、多重下請け構造を是正しなければなりません」と挨拶した。

▲冒頭挨拶する鶴田氏

検討会は、同省が運送事業者2万7976者(回答者数1094者)を対象としたウェブアンケート結果を取りまとめた「多重下請構造の実態調査の結果等」を議題として進めた。そこでは依頼元、依頼先共に、手数料を明示しない事業者が過半数、手数料を運賃の10%以内に設定する事業者が8割、その収受方法は運賃から差し引くとする事業者が過半数、運賃から差し引く理由に「商慣習」を挙げる人が大多数を占めるなどの、取引実態が明らかになった。

調査ではマッチングサービス事業者5者、一般貨物自動車運送事業者24者、利用運送専業事業者4者に対するオンラインでのヒアリングも盛り込んだ。そのうち回答多数はほかの事業者に依頼した後、「実運送事業者は把握しているが、当該事業者と自社の間に何社が介在しているかなどの請負次数は把握していない」、元請けではなく下請けとして運送する理由について「手数料を抜かれているのは分かっており、できれば元請けや荷主と直接契約したいが、それをやると業界のルール違反になるためできない」だった。

検討会の進行を努めた国土交通省物流・自動車局 貨物流通事業課課長補佐の松木拓氏は、「検討会では調査全体について、興味深かったというコメントが多数聞かれました。また、手数料の相場が5-10%という話を受けて、それ以上に取られている事業者さんもいるはず。そうした実態を深掘りすべきだという声もありました。やはり、皆が問題視したのは多重下請構造の根底にある商習慣。これを粘り強く是正していく必要があるとの意見が多くありました」と述べた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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