調査・データ東京商工リサーチ(東京都千代田区、TSR)は29日、全国1497社の「人材派遣業」の企業に対し、業績動向調査を行った結果を公表した。
深刻な人手不足と賃上げを背景に、転職市場が活況を呈している一方で、人材派遣業は人手不足による人件費上昇などで利益が追い付かず、大手と中小事業者の業績格差が年々拡大しているという。
全国の人材派遣業1497社の23年度の売上合計は、4兆6624億4000万円(前年度比6%増)で増収となったが、運営コスト上昇に加え、派遣人材の確保や事務コスト上昇などが重なり、最終利益合計は1508億円(同7.5%減)で減益となった。
売上高別の社数構成比は、1億円以上5億円未満513社(構成比34.2%)が最多。10億円以上50億円未満が326社(同21.7%)、1億円未満が274社(18.3%)と続く。5億円未満が全体の5割(52.5%)を超え、100億円以上のひと握りの大手と地域や専門性に特化した中小・零細規模に二分化した構造になっている。
23年の「人材派遣業」の倒産は78件、休廃業は232件、合計310社だった。10年連続で新設法人数を下回り、新規参入の増加が過当競争を招く市場環境にある。倒産は穏やかに推移するが、大手より体力の劣る中小・零細事業者は、人手の確保が難しくなっており、廃業や倒産に追い込まれる可能性が高まっている。
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