調査・データ東京商工会議所は6日、東京都23区内の中小企業・小規模事業者らを対象に行った経営課題についてのアンケート結果を公表した。78.9%の企業が、成長に向けた新たな取り組みを始めており、中でも、「人材の採用・開発・教育の強化」に取り組む割合が最も高かった。
調査は今年9月20日から10月11日まで1万社を対象に実施。このうち1447社から回答があった。
調査結果によると、今年1-9月の売上高を昨年同時期と比較すると、「増加」の回答が44.8%と、「減少」の23.1%を21.7ポイント上回り、全業種において回復が見られた。
コストについては、「原材料・仕入費用」、「エネルギー費用」、「労務費・人件費」、「その他経費(運送費、広告費等)」の全ての項目で、「上昇」と回答した割合がほぼ7割に達した。これは昨年の調査とほぼ同水準で、コストの上昇が続いていることがわかる。
収益の状況は、前々期から前期にかけて黒字企業の割合が微増したが、今期の収益見通しでは「収支トントン」と回答する割合が増加。コロナ禍前と比較して赤字企業が10ポイントほど増加している。
また、成長に向けた新たな取り組みを行っているかどうかを尋ねたところ、78.9%の企業が2020年以降に成長に向けた新たな取り組みを始めたと回答した。
取り組み内容で最も多いのは、「人材の採用・開発・教育の強化」の38.2%で、「新製品・新サービス開発」31.4%、「商品・サービスの提供方法の導入・改善」24.8%が続いた。
新たな取り組みを実施した効果については、「販売数量・取引先の拡大」が41.4%、「競合との差別化」が35.9%となった一方、「販売単価の上昇」は24.8%に留まった。
省力化・業務効率化に向けた取り組みについての問いには、79.6%が「実施している」と回答。内訳は、「デジタル活用」が36.9%と最も多く、ほかにもDXにつながるプロセス改善の取り組みとして、「業務プロセスの見直し」を28.1%、「業務の標準化、マニュアル化」を25.8%の企業が挙げた。
価格転嫁の状況については、「4割以上価格転嫁できている」と回答した企業の割合は、「原材料・仕入費用」で36.0%だったのに対し、「エネルギー費用」「労務費・人件費」「その他経費」はそれぞれ25%程度で、10ポイント近くの差が生じた。特にBtoCは価格転嫁が進んでおらず、BtoBでも取引段階を遡るほど価格転嫁できていなかった。
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