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4割以上の価格転嫁は運輸業で6割、東商調査

2024年12月19日 (木)

調査・データ東京商工会議所は12日、流通・サービス事業者を対象にした価格戦略や「物流2024年問題」への対応などに関するアンケート結果を公表した。4割以上の価格転嫁ができているのは、運輸業で64.8%となり、4割から6割転嫁できているとの回答が最も多かった。

調査は9月2日から13日まで、流通・サービス業関連の事業者1万3277社を対象に実施。1941社から回答があった。

調査結果によると、賃上げの状況については、従業員数100人以下の企業で「前向きな賃上げ」をした企業が24.0%、「防衛的賃上げ」が実施した企業が30.6%、「賃上げを実施していない」企業が33.9%だった。

全業種を対象とした他調査と比較すると、「賃上げを実施していない」企業の割合が高く、中小の流通・サービス業においては防衛的な賃上げすら実施できていないことがわかった。

一方、100人以上の規模の企業では、「前向きな賃上げ」は49.5%で、「防衛的賃上げ」は33.9%、「賃上げを実施していない」は9.9%だった。

業種別でみると、運輸業は賃上げ実施率が71.4%と高いものの「防衛的賃上げ」の割合が50.8%と過半数を占めた。

価格転嫁の状況については、4割以上価格転嫁できたのは、100人以下の企業で60.6%だったのに対し、100人超の企業では71.9%と10ポイント近い差が出た。

業種別でみると、4割以上の価格転嫁ができている割合は、卸売業が74.8%と高く、次いで小売業の69.5%だった。運輸業も64.8%と6割を超えた。一方で、専門・技術サービス業は57.7%、生活関連サービス業・娯楽業は54.7%とサービス業は他の業種に比べ低い傾向となっている。

「物流2024年問題」の影響については、荷主企業では「輸配送コストが上昇している」が67.8%と最も高く、次いで「輸配送日数が伸びている」が38.1%だった。
一方、物流事業者では「ドライバーの採用難」が56.5%で最も高く、「人件費増加に伴うコスト増」、「売上の減少」がいずれも39.8%だった。

2024年問題の対策については、荷主企業の22.3%、物流事業者の46.6%が「必要性を感じていて、取り組みをしている」と回答したが、荷主企業の37.7%、物流事業者の27.2%が「必要性を感じているが、取り組みをしていない」と回答した。

取り組みをしていない理由は、荷主企業の4割が「自社内にノウハウがない」を挙げ、物流事業者では3割を超える企業が「経済的余裕がない」「人材が足りない」を挙げた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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