
▲リブレット施工後のボーイング787-9型機(出所:日本航空)
荷主日本航空(JAL)は10日、宇宙航空研究開発機構(東京都調布市、JAXA)、オーウエル(大阪市西淀川区)と、世界で初めてボーイング787-9型機の機体胴体の大部分にリブレット形状の塗膜を施したと発表した。リブレット形状塗膜を施した機体を国際線として運航することも世界初であり、2025年1月中旬の就航を予定している。
3者は航空機の脱炭素化を推進しており、その一環としてオーウエルが改良を続けた技術により機体外板にリブレット形状塗膜を施し、耐久性および燃費改善効果を検証してきた。リブレット形状はサメ肌形状によって水の抵抗が軽減されることにヒントを得て考案された微細な溝構造で、航空機の飛行時の空気の流れに沿って機体外板に微細な溝構造を形成することで飛行時の抵抗を軽減することができる。
今回、JAXAによる風洞試験や数値解析により国際線機材の抵抗低減効果を確認できたこと、およびオーウエルによる機体大型化に対応できるリブレット塗膜施工システムの開発により、国際線機材の胴体上部まで施工面積を拡大し検証を進めることとなった。国際線機材では、長距離の飛行によりさらなる燃費改善効果が期待できる。今回施工した機体では、巡航時の抵抗低減率が0.24%となり、これにより年間119トンの燃料消費量と381トンのCO2排出量の削減が期待されるという。
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