調査・データ東京商工リサーチ(TSR)は14日、ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)を利用した企業の倒産件数が、昨年1年間で567件だったとする調査結果を公表した。前年に比べ10.7%の減少で、2020年にゼロゼロ融資が始まって以来、利用企業の倒産が前年を下回ったのは初めてとなる。
ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産が初めて確認された2020年7月から4年半での累計は1787件となった。
ゼロゼロ融資を中心にしたコロナ関連支援は、急激な業績悪化に見舞われた企業の救済に大きな効果をみせ、倒産抑制につながった。しかし、コロナ禍の収束後は円安の加速や原材料、燃料など輸入材の価格高騰が、企業の経営を直撃。物価高に加え、人手不足や人件費上昇で、融資の返済の目途が立たない中小企業も少なくない。
政府はゼロゼロ融資を返済する中小企業の支援に取り組み、民間金融機関の「経営改善サポート保証(コロナ対応)」や、日本公庫などの「コロナ資本性劣後ローン」は12月まで延長された。また、信用保証協会は「経営力強化保証制度」で保証料を減免するしている。
しかし、会計検査院は、2023年度末時点でゼロゼロ融資の貸付残高のうち、返済猶予など条件変更中の残高が1兆1888億円にのぼっていることから、不良債権の「予備軍」と指摘するなど、「倒産を先送りしているだけ」との厳しい指摘もある
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