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ゼロゼロ融資利用した企業の倒産件数が今年最少に

2024年12月10日 (火)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR)は9日、コロナ禍でのゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)を利用した企業の倒産件数が、11月に今年最少になったとするレポートを公表した。負債額も最少となり、年間を通じても昨年の倒産件数を下回りそうな傾向が続いている。

同社のまとめによると、今年11月の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は36件で昨年同月に比べると14.2%減少した。月別に見ると、8月の37件を下回り、今年最少となった。1月から11月までの累計は537件で前年同期の590件を53件(8.9%)下回り、通年でも昨年1年間の635件を下回るとみられる。

そうしたなか、中小・零細企業の倒産が目立ち、11月も「負債額1千万円以上5千万円未満」が15件(前年同月比36.3%増)、従業員数5人未満が23件(同35.2%増)となった。

コロナ禍のゼロゼロ融資などの金融支援策は、企業経営の下支えとなったが、売上が落ち込む中での借入金で、過剰債務に陥る企業も多かった。

政府はゼロゼロ融資の返済開始にともなう中小企業の倒産を防ぐため、「コロナ借換保証」などの各種資金繰り支援を今年6月まで実施。7月以降は経営改善・再生支援に軸足を置いた支援に移行し、民間金融機関による「経営改善サポート保証(コロナ対応)」や日本公庫などの「コロナ資本性劣後ローン」を12月まで延長したほか、信用保証協会は「経営力強化保証制度」を設けて保証料を減免した制度融資を始めている。

こうした施策の効果について、同社は「一定程度あったものの、価格転嫁もできずに人手不足や物価高で苦しむ中小・零細企業が支援の網から漏れるケースも少なくない」と指摘。「リスケジュール(返済条件変更)で、倒産を先送りしている企業の存在も指摘され、資金需要が高まる年末から年度末にかけ、新たな資金調達が難しい企業の動向が注目される」と警告している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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