調査・データ帝国データバンク(TDB)は20日、「2025年度の賃金動向に関する企業の意識調査」を実施した結果を公表した。調査対象は全国の企業で有効回答数は1万1014社。
2025年度の企業の賃金動向について尋ねたところ、正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)が「ある」と見込む企業は61.9%となった。4年連続で前年を上回り、調査を開始して以降で初めて6割を超えた。そのうちベースアップを実施する企業は56.1%で過去最高を更新。賃上げを行う理由は「労働力の定着・確保」が74.9%でトップだったほか、「同業他社の賃金動向」が初めて3割超へと上昇した。賃上げしない理由では「自社の業績低迷」が58.2%で最も高かった。
企業規模別にみると、「大企業」「中小企業」「小規模企業」の3規模すべてにおいて、前回調査の2024年度見込みから賃金改善の割合が上昇した。従業員数別にみると、100人以下の企業では賃金改善を実施しない企業の割合が昨年より減少。従業員数が21人以上の企業では賃金改善がない企業はいずれも1割未満にとどまった。その一方、賃金改善を実施しない割合は従業員数が「5人以下」(30.2%)の企業で突出して高かった。
業界別にみると、『運輸・倉庫』は65%と高水準だった。最低賃金の引き上げに対応するほか2024年問題への対応などで賃金改善を実施する企業の割合が昨年より高まった。そのほか『製造』(67.3%)が最も高く、『建設』(66%)、『農・林・水産』(65.3%)と続いた。
同社によると、2024年度の実績では企業の77.1%が賃上げを実施し過去最高を更新。2025年度はさらに上回ることが予想される。賃上げを行う理由として7割を超える企業が「労働力の定着・確保」をあげており、高水準な人手不足の状態が引き続き経営リスクとなっている。企業は「同業他社の賃金動向」を注視しながら賃上げを行う機会が増えており、企業が生き残りを図るためには継続的な利益の確保が従来以上に重要となると分析した。
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