
▲物流現場では馴染みのある小型仕分けロボット「t-sort」
話題プラスオートメーション(+A、東京都江東区)の仕分けロボット(AGV:無人搬送車)「t-sort」は、もっとも馴染みのある物流ロボットの1つといって良いだろう。小型ロボットが仕分け荷物をトレイに載せてキビキビと走り回る姿は、倉庫現場でのロボットの活躍を象徴するものとなっている。
社会的にも自動化の機運が高まるなか、同社の「第6回 関西物流展」への出展にも関心が集まる。物流効率化法の一部施行直後の開催となる大型物流展示会で、同社は何を呼びかけるのか。
3坪・100V・アンカーレスで設置可能な立体型ソーター「t-sort 3D」
同社の河内一矢氏(アライアンス&マーケティング部)は、「今回の物流展では、3坪で設置可能な立体型ソーター『t-sort 3D』を中心に、具体的なユースケースを見てほしい」と語る。

▲「t-sort 3D」
t-sort 3Dの特長は、これまでの平面走行タイプのような設置面積を必要とせず、庫内の上部空間までを有効活用した仕分け作業環境を構築できる省スペース性能だ。

▲河内一矢氏
仕分け作業者1人が担当する基本ユニットは、ロボット2基と立体ラックで構成され、「3坪だけのスペースで、80間口以上に対応する高効率なシステムを構築できる。また、100ボルト電源を利用可能で、アンカーの打設も必要ない。そのため、設置や移設、増設なども容易で、最短1日で稼働させることもできる」(河内氏)
同様の仕分け機器としては、作業者の投入ラックを自動指示する種蒔き作業ラックが想定される。そうした機器に比べても、t-sort 3Dは商品のバーコードをスキャンしてロボットのトレイに載せるだけで仕分け作業が完了するため、圧倒的に作業者への負荷が少ない。しゃがんだり背伸びしたりといった動作が不要で、作業ミスが介在する余地も極限的に少ない。検品負荷の削減とともに、どんな作業者でも平準化した運用ができる。
「仕分け作業は、迅速かつミスが許されない工程。t-sort 3Dの基本ユニットでは、1人の作業者で1時間あたり800ピース以上の仕分けをミスなく作業できる」(河内氏)。熟練した仕分け作業者なら同様の生産性を発揮できるかもしれないが、誰もがすぐに同じレベルで作業することは難しいはず。人手不足が深刻化するなか、新人やタイムワーカーも運用できる環境を整えておくことが、サステナブルな現場運営の後押しとなる。
自動化の最初の一歩をサポートするロボットサービス「RaaS 2.0」
いくら優れたシステムでも、いざ導入となると、コストや運用転換の不安などを解消しなくてはならない。初期投資の負担の大きさ、思ったような効果が出ない、運用を見直したい、波動や社会環境の影響が大きく投資回収の計画が難しいといった悩みや、荷主など取引先の環境変化に左右される物流事業者も少なくないだろう。
+Aでは、こうした倉庫自動化の課題を解決するべく、サブスク型のロボット導入パッケージプラン「RaaS2.0」を用意して、スモールスタートを促す。初期投資を抑えた月額制で、環境変化などの事業リスクにも柔軟に対応が可能。物流波動に合わせてロボット台数や間口数などの見直しができるサブスクならではの利点である。

▲横田晶花氏
横田晶花氏(同)は、「導入ケースの6割以上はサブスクでスタートし、効果を実感してからの長期運用や、カスタマイズへと転換していくクライアント様も多い」といい、+Aが自動化の最初の一歩からの伴走者に選ばれていることがわかる。昨年末時点で同社の自動化支援サービスの導入拠点数は175か所を超え、国内ロボットの導入数は5600台以上を誇る。
定評あるt-sort、その固定概念を打ち破ることが目標
一方、すでに評価の高いソリューションゆえの課題もあるという。「t-sortは、得意な取り扱い商材がアパレルや日用雑貨などに限定したイメージを持たれている方も多い」(河内氏)
河内氏は、関西物流展の一番の目的は「こうした固定概念を打ち破ること」と宣言する。関西物流展では、これまでのt-sortへの思い込みを覆すために、『ブース内デモ』で具体的なユースケースを披露するという。

▲関西物流展ブースでもデモを実施し、さまざまな商材への対応力を訴える
まず、「アパレルや日用雑貨などの商品だけではなく、食品やワレモノなど丁寧な荷扱いが必要なものも取り扱えることを、見てもらいたい」(河内氏)。荷物を取り扱うアーム部分には、汎用性に優れた「チルトトレイタイプ」と、荷扱いが丁寧でワレモノも扱える「クロスベルトタイプ」の2種類を用意し、多様な荷物ごとの最適運用に備える。
また、展示会では基本ユニットのt-sort 3Dだけではなく、平面運用のt-sortとの連動も展示。連動運用では1系統で最大2000間口に仕分け可能で、サイズや重さ、発送エリアごとの荷量の差などのばらつきにも対応できるなど、EC配送と店舗配送の併用に最適である。『ブース内デモ』ではこちらの運用イメージも明らかにする。
多様な荷物を、多様な配送先に、ミスなく、負荷なく仕分け作業できる運用は、まずは実際に見るほかない。会期中は、『何から始めるべき? 倉庫自動化「ソリューションまるっと比較」』というタイトルで製品・技術 PRセミナーも開催し、倉庫自動化の始め方の最善策も解説する。ほかのソリューションも並ぶ展示会だからこそ、t-sortの現場での実用性を比較し、確認できるチャンスとなるのではないだろうか。
会場での対応を予定する2人は、「ぜひ気軽に声をかけてほしい」(河内氏)、「実際に運用したい商品を持ち込んでもらえれば、その場で仕分けテストも可能」(横田氏)と呼びかける。カタログスペックだけではわからない導入イメージ、導入後の対応など、同社ブースに足を運ぶことが、文字通り自動化の第一歩かもしれない。
プラスオートメーションHP
https://plus-automation.com
「t-sort 3D」サービスページ
https://plus-automation.com/robot-service/tsort3d/
会期:2025年4月9日(水)-11日(金)10時〜17時(最終日は16時まで)
会場:インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1-5-102)
来場方法:公式ウェブサイトでの「来場者事前登録」が必要(無料)
https://kansai-logix.com
【プラスオートメーション 展示ブース情報】
カテゴリー:搬送/仕分け/ピッキング
ブース番号:A6-32