サービス・商品大日本印刷(DNP)とBIPROGY(ビプロジー)は27日、量子アニーリングと古典AI(人工知能)技術を組み合わせた「量子・古典ハイブリッド技術」を活用した物流向けアプリケーションの開発を、4月1日から本格化すると発表した。各種データの高速処理や解精度アップにつながる技術を用いた配送計画システムやピッキング計画システムを開発・提供していくことで、作業時間短縮など物流現場の生産性向上に貢献する。
両社の研究は2023年11月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」に採択された。以来、量子技術とAIを活用した物流業務効率化アプリケーションの開発に向けた初期の仮説検証に取り組んできた結果、25年1月にNEDOのステージゲート審査を通過。4月から本格研究ステージでの開発に乗り出すことになった。
DNPが「倉庫内のピッキング計画」、BIPROGYが「物流・交通分野における配送計画」のアプリケーション開発をそれぞれ担当する。DNPは初期仮説検証フェーズで「作業状況に応じてリアルタイムに高速でピッキング計画を立案する」アプリケーションの開発に成功した。この研究成果をもとに、4月以降の研究フェーズでは、自律走行搬送ロボット(AMR)などのロボットと作業スタッフが協働で展開するピッキング作業を最適化するアプリケーションを開発する計画だ。
一方、BIPROGYは積み付け、経路、車格などの業務要件を満たした効率的な配送計画を決定する「配送計画最適化アプリケーション」の開発に着手しており、今後の研究では、同アプリに、道路、ドライバー、荷物の状況をリアルタイムに把握し、その情報を高速処理して従来の計画を瞬時に変更できる機能などを加えていく。
古典AI技術は従来のスーパーコンピューターやサーバーなどを活用したAI技術。量子アニーリングは量子力学を用いて開発された計算手法の一種で、組合せ最適化問題を解くことを主な目的としている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com