荷主特殊冷凍機の製造などを手がけるデイブレイク(東京都品川区)とTOPPAN(文京区)は8日、デイブレイクの特殊冷凍技術とTOPPANの高性能バリアフィルムを使った冷凍食品の品質向上に向けた共同研究に取り組むため、業務連携を行うと発表した。最適な保管方法を研究し、新商品の開発に取り組むほか、食品・飲食業界向けのセミナーや勉強会を開催し技術や商品の普及を図る。
デイブレイクは食品の冷凍保存技術を研究し、特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を2021年に発売。同機はこれまで700社以上に導入されている。同社の特殊冷凍技術は、急速かつ均一に凍結することで氷結晶を小さくし、細胞の損傷を減らしてうまみ成分の流出を防ぐ。さらに、冷風の循環を工夫して、素材本来の風味や食感を保ち、調理済みの食品も、でき立ての味を再現できるようにした。
一方、TOPPANの透明バリアフィルム「GL BARRIER」は、独自の透明蒸着加工技術とコーティング技術で、高いバリア性能を持つ。酸素と水蒸気へのバリア性が非常に高く、アルミ箔の代替として使用することで、温度変化に影響されることなく、水分喪失や酸化を防ぐ。
両社で、熱処理されていないアボカドをアートロックフリーザーでマイナス20度の状態に凍結した後、GL BARRIERの真空袋で7か月間保管する実験を行ったところ、変⾊が起こらず、凍結前に限りなく近い状態を再現できた。比較のため、GL BARRIERなしの真空袋で保存したところ、褐色に変化した。
今後、両社は温度変化や包装の影響を考慮した実証実験を実施し、特殊冷凍とGL BARRIERを使った最適な保管方法を研究。将来的には、両社の技術連携による新商品開発にも取り組む。
また、食品メーカーや飲食業界向けに、特殊冷凍機とバリアフィルムを使うメリットを解説する共同のセミナーや勉強会を開催し、冷凍食品の保存方法の重要性を広く啓発する。
デイブレイクは、冷凍した食品の鮮度を長期間保つには、優れた冷凍技術だけでなく、適切な保管による品質維持が重要だとし、両社の技術を組み合わせることで、冷凍食品のさらなる品質向上と保持を目指すとしている。
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