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地域の発展と持続可能な物流の実現に貢献

首都圏物流の大動脈を握る「グッドマン常総2」

2025年5月9日 (金)

拠点・施設茨城県南西部に位置する常総市。古くから、市の中央を流れる鬼怒川に沿って農業が盛んで、南部の低地部に広大な水田地帯、西部に丘陵地が広がる。気候は温暖な太平洋型で、四季を通して穏やかだ。2023年5月、市は農産物を加工、流通、販売に結びつける農業6次産業化を軸にした、農業のポテンシャルを最大限に引き出す地域創生プロジェクト「アグリサイエンスバレー常総」を発足。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・常総インターチェンジ(IC)周辺に、農産物の生産から販売までを一貫できる事業施設の整備を進めている。

▲「アグリサイエンスバレー常総」構想のイメージ(クリックして拡大)

豪グッドマンが手掛ける国内最大規模施設

この新興ビジネスパークの中心に建つ物流センター「グッドマン常総」が23年8月に完成。オーストラリアに本社を置く産業用不動産(開発)会社グッドマングループが日本で開発した最大規模の物流施設だ。ことし2月、エリア内のさらなる中核施設として完成した「グッドマン常総2」は最先端の物流拠点として物流関係者のみならず、地元住民からも注目を集めている。

▲「グッドマン常総2」外観

外観だけ見れば、それはまるで海外の空港のようだ。もしくは、巨大ショッピングモールを彷彿とさせる。日本の原風景にそぐわない奇抜さはない。周囲の景観に馴染んでいる。教えられなければ、この施設が物流センターだと気づく人はいないはずだ。グッドマン常総2はダブルランプ片側車路の5階建てS+RC構造で、総賃貸面積は13万4400平方メートル。天井高は5.5メートル、床荷重は2トン。建物形状は長方形で庫内オペレーションをレイアウトしやすい。自動化・マテハン導入に最適で使い勝手の良さが特徴だ。1フロアあたり最大5万平方メートルの広大な空間が広がる。

全天候型ピロティ車路、動線分離など作業効率を最大化

特筆すべきは徹底した物流の効率化への配慮だ。全階に全天候型ピロティ車路を採用し、雨風の影響を受けずに作業が可能だ。トラックと乗用車の動線を分離して安全性を確保し、倉庫内での作業効率を最大化した。一部シャッターはトレーラーウイング車対応の高さ5.4メートルを確保。バースは柱型が出ない仕様で、トラックを横付けできる。倉庫側からの積み下ろしが可能など、多様な事業者のニーズに応えるマルチテナント型物流施設だ。

「常総IC」直下、都内から60分以内でアクセス

立地の優位性も注目すべきポイントだ。

同施設は都心から50キロ圏内にあり、圏央道・常総ICの直下にある。常磐自動車道・谷和原ICとも国道でつながる。関東エリア全域へのアクセスも至便だ。片側2車線の国道294号線経由でストレスなくへの到達が可能。常磐自動車道を利用すれば、都内から60分以内でアクセスできる点も大きな利点だ。省人化に期待がかかるダブル連結トラックも施設内に入車できる。効率的なサプライチェーンの構築に不可欠な施設と言えるだろう。

▲関東エリアへのアクセスも至便(クリックで拡大)

アメニティルームを併設し、従業員のケアにも配慮

従業員への配慮も十分だ。従業員が仕事の合間にリラックスできる広々としたラウンジスペースを設けた。館内にある共用ミーティングルームは従業員同士でアイデアの共有や問題解決に向けたミーティングなどに活用できる。さらには体を動かせるウェルネスゾーンや屋外テラス、コンビニエンスストアやATMも併設している。EV(電気自動車)充電ステーションを設け、環境に配慮した交通手段を利用する従業員の利便性も高めた。敷地内には700台分の駐車場を完備し、通勤者の負担を少なくした。

▲広々とした内装で従業員の労働環境に配慮

周辺にはTSUTAYAや道の駅、地域の雇用促進に寄与

この施設は、単なる物流センターの範ちゅうにとどまらない。地域に新しい風を吹き込み、雇用を増やす拠点としても期待されている。周辺には86.5万人もの人が車で30分圏内に住む。人材が集まりやすいロケーションが魅力だ。研究学園駅や守谷駅といった、つくばエクスプレス沿線の駅から、従業員専用の路線バスが運行する。バス通勤のしやすさが、センターでの雇用を後押しする。

施設の周りも賑わいが絶えない。メロンパンや芋けんぴが名物の道の駅のほか、「TSUTAYA BOOK STORE常総インターチェンジ」で本やカルチャーに浸ったり、天然温泉の温浴施設でいい汗を流せる。いちご狩りができる観光農園や食品総合物流企業の施設も加わって、新たな仕事が次々に生まれている。さらに、グッドマン常総2へのカスタマー企業の入居が進めば、この地に1000人規模の雇用が新たに生まれることになる。

▲道の駅常総

太陽光発電の利用で、温室効果ガス量を削減

サステナビリティへの取り組みにも注目したい。同施設は太陽光発電設備を備え、4.25メガワットの電力を施設内で利用できる。館内には蓄電池を設置し、再生可能エネルギーの効率的な利用を促している。これにより電力の安定供給が実現し、商品やサービスがライフサイクル全体を通じて排出する温室効果ガスの量、カーボンフットプリント(CFP)の削減が期待できる。さらに、日本での建物の省エネルギー性能を評価するための第三者認証制度のBELS評価(建築物エネルギー性能表示制度)において、同施設は「ZEB」(ゼロ・エネルギー・ビル)という国内最高評価を取得している。

異業種間のコラボや新たなビジネスチャンスの創出にも期待

グッドマン常総2は、広域物流拠点を求める企業や、効率的なサプライチェーンを実現したい事業者にとって最適な選択肢だ。全国各地に分散していた物流拠点を同施設に統合し、在庫を一元管理して生産性を向上させることも可能だ。さらに、アパレルや食品系など、さまざまな業種の入居が進めば、異業種間のコラボレーションや新たなビジネスチャンスが生まれる可能性がある。

グッドマン常総2は高度な設備と利便性、競争力のある賃料設定により、多くの企業にとって魅力的な拠点になるはずだ。同拠点から展開されるビジネスは、地域の発展と持続可能な物流の実現に貢献するモデルケースとして期待されている。

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