
▲E1東名(上り) 音羽蒲郡ICにおける渋滞の様子(出所:NEXCO)
国内NEXCO3社(東日本、中日本、西日本)は22日、6日に発生した広域的なETCシステム障害に対する当面の対策を発表した。今回の障害は6日0時30分から、NEXCO中日本管内の東京支社、八王子支社、名古屋支社が管理する67か所の料金所で発生した。
東名高速道路、新東名高速道路、中央自動車道、長野自動車道、東海環状自動車道の17路線106か所のETC料金所でシステムの課金処理が不能となり、10か所で2キロ以上の渋滞が起きた。東名高速では大井松田インターチェンジ(IC)、御殿場IC、豊川ICなど、新東名高速では新御殿場IC、長泉沼津IC、岡崎東ICなどが影響を受けた。中央道では高井戸IC、三鷹本線料金所を含む複数箇所で障害が発生し、談合坂スマートICなど7か所の料金所では入口を閉鎖する措置を講じた。
障害の原因はETCカードの判定データが破損だった。深夜割引の見直しに向け構築中のシステムにおいて、広域管理システムから地域管理システムへの配信時に、送信済みの前回宛先データを消去する機能がなく、このデータが蓄積した。各システム間のデータ送信では、送信毎に各システムで「宛先データ」と「ETCカードの判定データ」を生成するが、広域管理システムには宛先データの消去機能を装備していなかった。蓄積した宛先データがETCカードの判定データを侵食し、破損を引き起こした結果、破損したデータが各料金所サーバーに送信され、正常なETCカードの一部が通行不可と判定された。
NEXCO3社は当面の対策として、広域的なETCシステム障害を疑う目安を設定し、障害発生時の料金所運用や情報提供、早期復旧に向けた体制を構築する。料金所では渋滞を発生させないよう発進制御バーを速やかに上げ、情報提供は本社本部が一元的に担当する。障害発生時には料金表示器にカバーを設置してETCによる料金徴収を継続する。また、一般レーンとサポートレーンは通常通り運用し、ETCレーン利用不可時の代替手段を確保する。
通行料金の精算については、利用者の利便性向上と手続きの簡素化を目的とした専用ウェブサイトを導入する。このシステムは24時間利用可能で、スマートフォンやパソコンから通行日時、区間、車種区分などを入力することで料金精算が完了する。支払い方法はクレジットカードやコンビニエンスストア決済など複数の選択肢を用意する。
システム障害の早期復旧に向け、グループ会社とベンダーを含めた24時間の連絡体制を確立する。特にシステム改修時には、現地作業日程と内容を関係するベンダー間及びNEXCO3社で共有し、速やかな早期復旧体制を確保する。今回の障害の原因となったプログラムは速やかに改修する。応急復旧作業により7日14時には全料金所でETC利用が可能となった。
さらに、同一支社管内の複数料金所で30分間に10台の異常停止車両が発生した場合を障害発生の目安とし、国などの道路管理者とも連携して対応する体制を整える。最新の交通情報はウェブサイトやSNS、スマートフォンアプリを通じて提供し、利用者への迅速な情報発信を徹底する。
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