調査・データ日本郵政とJPロジスティクス(東京都千代田区)、each×other(イーチ・アザー、宮城県石巻市)、マルティスープ(東京都千代田区)は、4社共同でクラフトビールの樽シェアリングサービスの実証実験を開始する。対象期間は6月16日から8月29日までで、JPロジの物流ネットワークを使い、共通の樽を東北地方のブルワリー3社に提供する。
クラフトビール市場が拡大し、ローカル資源を生かしたビールの開発事例が増えている。地域活性化やブルワリーの新規起業にも波及している。ブルワリーは地域資源の利用拡大や飲食店の活性化、地方税増加を促している。一方、原材料確保や設備投資、卸先の飲食店向け樽の洗浄や紛失リスクなど課題もある。参加各社は樽の管理・回収・洗浄などで役割を分担して、地域ブルワリーが生産効率や商品開発に専念しやすい環境の整備を狙う。
実証実験ではJPロジが用意した共通樽をISHINOMAKI HOP WORKS(宮城県石巻市)、秋田あくらビール(秋田県秋田市)、HOPDOG BREWING(同)の3社に提供する。ブルワリーが卸したビール樽は都内飲食店で空になり次第、JPロジが回収し東北地方に輸送する。each×otherが樽を洗浄、保管し、各ブルワリーの請求にあわせJPロジが必要数を配送・納品する体制を整える。樽にはGPS端末を装着する。紛失を防止するほか、飲食店と物流事業者双方の稼働時間の違いに配慮し、非対面での樽回収も導入する。
実証サービスは日本郵政が全体統括、樽受発送管理やCS対応支援を担う。JPロジは実証実験の主体となり、樽のシェア、管理、回収、配送を受け持つ。each×otherはブルワリー統括や樽洗浄を担当、マルティスープが位置情報システムを提供する。GPSによる保管日数や流通分析も進め、ブルワリーの稼働や初期投資抑制など持続的成長支援の仕組みづくりへ役立てる方針。ローカルブルワリーの事業環境向上と地域活性化を狙い、今後の事業モデル拡大や効率化につながる仕組みの可能性を検証する予定だ。
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