産業・一般Proud Partners(プラウドパートナーズ、東京都新宿区)は29日、ウズベキスタン共和国政府との間で運送業向け特定技能人材育成に関する覚書を締結したと発表した。6月から本格的に始まる「運送業向け特定技能人材育成プロジェクト」では、8か月間の日本語・運転技能教育を通じて即戦力となる外国籍ドライバーを育成する。初年度の目標育成人数は100人。

▲ウズベキスタン共和国政府との調印式(出所:Proud Partners)
同プロジェクトは、深刻化する国内運送業界のドライバー不足と外国人ドライバーの事故多発という課題に対応するもの。国土交通省の調査によると、2030年には34万人のドライバー不足が見込まれており、運送網の維持が危ぶまれている。
従来の「外国免許切替」制度では、10問中7問正解の簡易な筆記試験と1日完結の技能試験のみで免許取得が可能だった。しかし、実際の日本の道路状況や交通ルールへの適応力は十分に確認されておらず、特に大型車両を扱う運送業界では安全性の懸念が指摘されていた。
新プロジェクトでは、運送業特有の課題を網羅したカリキュラムを導入。長距離運転時の疲労管理、悪天候時の安全運転、都市部での駐車技術などを徹底指導するほか、日本の道路標識や交通ルールについて実地訓練を交えて学習する。さらに、実車を用いた大型車両の運転技術習得や、事故・緊急時の対応を想定したシミュレーション訓練も実施する。
役割分担では、ウズベキスタン政府が候補者の募集、施設・車両の提供を担い、Proud Partners側が候補者の選定、学校運営、教育スタッフ派遣、日本での就労先確保を行う。
同社は並行して、ドライバー人材の補強を目指す国内運送企業との提携も進めており、提携先企業専用のトラックドライバー育成学校運営プロジェクトも開始する予定だ。
同社はウズベキスタン人材がヨーロッパ各国で多数のトラックドライバーとして活躍している実績を評価。ポーランドで3000人、ラトビアで600人など、計8か国で4850人が従事している。イスラム教国家であるため飲酒運転のリスクが極めて少ないことも安全性を高める要因だという。
同社は今後の展開として、2026年度に1000人、2027年度に2000人、2028年度に5000人(他業種含む)、2029年度に1万人(同)の育成を目標に掲げている。運送業に加え、外食産業や建設業界への展開も視野に入れており、すでに全国・全世界で700店舗超の外食産業企業との連携を進めているという。
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