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関通、EC物流支援体制と冷凍食品流通強化

2025年6月2日 (月)

調査・データ関通は5月30日、新たな事業戦略を発表した。サイバー攻撃の影響で業績が悪化したなか、同社は物流サービス事業とITオートメーション事業の二本柱により、収益体質の強化とサービス基盤を刷新する。

2026年3月期通期業績について、売上高159億6500万円、営業利益2億5900万円、経常利益2億6000万円、当期純利益1億8700万円へ回復する方針を明確に示した。28年以降、売上高300億円、経常利益15億円を目指す。

▲今後の成長イメージ(クリックで拡大、出所:関通)

物流分野では、EC(電子商取引)事業者向け新物流プラットフォーム「GAOW」(ガオウ)の運用準備を進める。クラウドトーマスと組み合わせて、標準化・従量課金制が特徴のGAOWは、短期間で導入可の新しい発送代行システムとなる。25年夏までの運用開始を予定し、1万8700坪の新規物流拠点増設も計画する。

さらに、食品業界で需要が高まる冷凍・冷蔵物流の強化を重要戦略とした。自社の冷凍冷蔵倉庫はすでに満床となった。今後は設備投資やパートナー企業との協業、資本提携により冷凍・冷蔵領域をさらに拡大する。関通は冷凍技術の進歩と高齢化社会の流通環境変化を受けて、冷凍冷蔵食品の保管・流通効率化を推進する。既存倉庫に加えて新たな低温設備導入や流通網の高度化を図る。設置コストの高さという冷蔵業界特有の課題にも対応しながら、需要増加に資する冷凍・冷蔵食品物流代行サービスを全国規模で拡充に努める。

さらに、サイバー攻撃を受けた経験を教訓として、サイバー保険代理店サービスを始動する。保険販売に加えてセキュリティー診断や運用サポート、企業のITコンサルティングなど多角化して展開する。AI(人工知能)を活用した詐欺・ランサムウェアなど新たな脅威にも総合的に備える。定款変更承認を経たことし5月から本格展開し、グループ会社による間接部門業務の受託も並行して進める。

同社は既存事業の底上げと新領域への拡大を同時に進め、通販・EC物流や冷凍・冷蔵食品分野、サイバーセキュリティー、BPO関連で多様な顧客課題に応える。業界環境や社会の変化を俯瞰し、デジタル・低温・セキュリティー分野を含めた次世代型の物流インフラ構築で企業価値の継続的向上を狙う。

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LOGISTICS TODAY編集部
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