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テラドローン、サウジ巡礼地で医療物資輸送を実施

2025年6月11日 (水)

▲ドローンが医療物資を配送する様子(出所:テラドローン)

ロジスティクスドローン開発のテラドローン(東京都渋谷区)は10日、サウジアラビアに拠点を置く子会社テラドローン・アラビアを通じて、サウジアラビア保健省や政府系企業NUPCOと連携し、イスラム教の宗教行事「ハッジ」で、ドローンを活用した医療物資配送プロジェクトを実施したと発表した。ハッジはイスラム教の巡礼で、毎年サウジアラビアのメッカには200万人を超える巡礼者が世界中から集まる。期間中は深刻な交通渋滞が発生し、医療物資輸送などの緊急対応が課題となっている。

今年のハッジは6月4日から9日までで、テラドローン・アラビアはドローンの運用を統括する主担当事業者としてプロジェクトに参画した。また、使用するドローンの運航管理には、テラドローンの子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)プロバイダー、ユニフライのUTMが採用された。

テラドローン・アラビアは、メッカ近郊の主要な聖地で、血液や医薬品などの緊急医療物資をドローンで配送する役割を担った。使用機体には、温度管理が可能な冷却機能付きペイロードボックスを搭載したDJI Matrice 350 RTKを使用。巡礼者などで人が密集する都市上空をドローンが安全に飛行するため、UTMを使って目視外で飛行する複数機体の位置情報をリアルタイムで監視し、UTM上で管理を行った。UTMにはドローン同士の衝突リスクを事前に察知するアラート機能や、着陸を指示する制御機能を備えており、安全で効率的な運航に貢献した。

これによって、従来は地上輸送で1時間半以上かかっていた輸送をわずか6分未満で行い、迅速な医療対応を可能にした。

テラドローンは今年4月にサウジアラビアの総合エネルギー・化学企業アラムコと基本合意書を結び、同国内の石油・ガス業界の技術革新を加速するため、現地での技術展開にも取り組んでいる。

同社は「今後も医療分野にとどまらず、サウジアラビアでのさまざまな重要分野でドローン技術の普及を図り、持続可能なインフラ構築に寄与していく」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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