調査・データマーケットリサーチセンター(東京都港区)は7日、世界のグリーンアンモニア市場を分析した英市場調査会社、Persistence Market Researchのレポート「グリーンアンモニアの世界市場:製品種類別、エンドユーザー別、地域別2022-2032」の販売を開始した。2024年に23億2800万ドル規模のグリーンアンモニア市場は33年に63倍の1476億1300万ドルに達するとし、その間の年平均成長率は71%を見込んでいる。
グリーンアンモニアは再生可能エネルギーを用いて生産されるアンモニアで、アンモニアは燃焼してもCO2を排出しないため、化石燃料の代替燃料として期待されている。また、アンモニアを使って水素を安全に輸送する方法も研究が進んでいる。
レポート概要によると、同市場は19年から23年にかけて、年平均成長率147.3%と急速に拡大した。成長の背景には持続可能なエネルギーと再生可能資源へのニーズの高まり、電気分解や窒素合成プロセスの技術的進歩といった要因が挙げられる。今後も官民による投資の増加や技術進歩の加速、再生可能エネルギー発電のコスト低下などが市場成長を支えると見込まれ、複数の産業でグリーンアンモニアの用途拡大が想定されている。
グリーンアンモニアの用途は肥料や輸送、自家発電、工業用原料などに分かれるが、肥料分野が最大の需要先となっている。肥料の分野では24年から33年にかけて68.6%の成長率が見込まれている。エコフレンドリーな肥料の利用拡大や「ゼロカーボン農業」を後押しする政府主導の取り組みが成長を支える。
地域別には米国が23年時点で、最大の市場となっており、今後もグリーンアンモニアの生産と消費の両面で主導的地位を維持すると予想される。大手企業や先端技術企業によるグリーンアンモニア在庫の積み増しに加え、厳格な規制やグリーン肥料利用の拡大が、市場の拡大を後押しする。
豪州とニュージーランドは、多数のグリーンアンモニアプロジェクトを抱え、世界に向けた供給拠点として重要な役割を果たす。両国市場は23年から33年の間に85.3%の評価額成長率を記録すると予測されており、大幅な成長が期待されている。
このほか、レポートでは主要企業や世界各国の取り組み、動向を取り上げ、詳細に解説している。最近の動向として、インドのSJVNグリーンエネルギー(SGEL)による世界最大級のグリーンアンモニア生産施設の建設計画や、エジプト政府による総額330億ドル規模のグリーンアンモニアプロジェクトなども取り上げている。
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