調査・データ大阪税関は18日、特集として「靴下の輸出」についての資料を公開した。
2024年における靴下の輸出額は全国で27億円、近畿圏で18億円となり、比較可能な2013年以降で全国・近畿圏ともに過去最高額。全国では2.1倍、近畿圏で3倍となっている。24年に全国から輸出された数量は308万足。このうち近畿圏からは金額で66%、数量で81%の靴下が輸出され、経済圏別の全国シェアは金額・数量ともに13年以降、12年間連続第1位となっている。港別では、関西空港、神戸港からの輸出が多く、関西空港と神戸港の全国シェアはいずれも金額で26%・数量で32%を占めた。近畿圏の港が多く利用される理由は製造工場が関西に多くあり、輸送面での利便性が良いため。日本靴下協会によると23年の全国の靴下の生産量シェアは第1位が奈良県、第2位が兵庫県となっている。
24年に近畿圏から輸出された靴下の品目内訳を見ると合成繊維製と綿製のものが多数を占め、これらを合わせると数量で全体の85%、金額で71%となる。段階的圧縮靴下は数量では全体の9%だが、金額では21%を占めた。段階的圧縮靴下は着圧機能を持たせるよう特別に設計されていること、医療用の高価なものなども含まれることなどから他の靴下よりも単価が高くなっている。
年別の輸出単価を見ると、13年から24年の12年間で靴下の輸出単価(1足あたりの輸出金額)は、全国・近畿圏ともに2.4倍になった。輸出単価が増加した理由は、業界によると人件費・原材料の高騰のほか、機能性を高めるため特殊な糸や複数の素材を使用した段階的圧縮靴下、高いデザイン性・特殊な編み方・特別な素材などのこだわりの靴下、スポーツ・トレーニングなど特定の用途向けに作られた靴下などの単価の高い商品の輸出が増えたことなどが考えられるという。
近畿圏からの仕向国別で見ると、金額ではマレーシア、数量では中国が第1位となっている。マレーシアや韓国、中国などアジア向けは段階的圧縮靴下の人気が高く、日本製のものは品質や機能性が良いことなどから現地で受け入れられている。欧米向けは、綿製、羊毛製・繊獣毛製の靴下の割合がアジアの国より高く、日本製のものは品質、デザイン、履き心地などの面で高い評価を受けている。
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