調査・データ米市場調査会社のIMARCグループは24日、日本のリバースロジスティクス(静脈物流)市場の規模は2024年に455億米ドルに達し、33年には807億米ドルにまで拡大するとのレポートを公表した。この間の年平均成長率は6.08%と予想している。
商品の返品やリサイクル回収などを扱うリバースロジスティクスは、EC(電子商取引)市場の拡大のほか、リサイクルやリユースへの関心の高まりで、今後も高い需要の伸びが予想される。
レポートによると、日本のEC市場ではAmazonや楽天といったプラットフォームが市場を席巻するなか、消費者はサイズ違いや、購入後の後悔、不良品などを理由に商品を頻繁に返品し、EC事業者は多くの返品に対応するため、効率的なリバースロジスティクスシステムを必要としている。例えば、楽天は返品プロセスを合理化し、返品商品の迅速な処理を可能にした。こうした傾向がリバースロジスティクスへの投資を促し、市場の成長を支えている。
また、環境意識の高まりで、リフォームやリサイクルに取り組む企業も増えており、製品ライフサイクルの管理や素材のリサイクル、カーボンフットプリントの最小化のためにリバースロジスティクスが不可欠となっている。国も、廃棄物の管理とリサイクルに関する規制を強化しており、規制に対する企業の対応が、リバースロジスティクス市場の発展を後押している。トヨタでは使用済み自動車部品のリサイクルにリバースロジスティクスを導入し、規制を順守しながら、持続可能性を確保する取り組みを進めている。
こうした状況に対し、日本では、専門のリバースロジスティクスプロバイダーが増え、市場を変革しつつある。これらの企業は、返品、改修、リサイクルといった処理に特化したサービスを提供し、企業がコア業務に集中できるよう支援している。一例では、DHLが日東電工と提携し、返品処理とコスト効率を最適化するロジスティクスサービスを提供している。
レポートでは日本市場の展望について、「ECの継続的な拡大、技術革新、サステナビリティへの強い関心を背景に、大きな成長が見込まれる。企業と専門のリバースロジスティクスプロバイダーとの連携が進むにつれ、市場は消費者の期待と規制要件に対応しながら進化していくだろう」などとしている。
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