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過去最大規模「関西物流展2026」、実装フェーズのソリューション集結

CLOが動き、物流課題も動き出す「関西物流展」

2026年3月25日 (水)

話題4月8日から10日までの3日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で「第7回 関西物流展 KANSAI LOGIX 2026」が開催される。

関西物流展事務局の岩本匡史氏は、「物流効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)はもはや“検討テーマ”ではなく“実装を選ぶテーマ”に変わっている」と語る。とりわけ今年度の開催は、CLO(物流統括管理者)選任義務化が本格施行される“CLO始動”のタイミングとも重なる。

ついに、経営戦略として物流を検証すべきときだ。ロジスティクスによる企業価値創出を目指す企業にとってはこの機を逃すことはできない。

過去最大、物流業界の熱気伝わる1400小間規模の展示

今回は、共同出展を含めて420社、1400小間規模となり、もちろん過去最多を更新する。展示会場面積でも前年より1200平方メートル拡大する。出展カテゴリーは前年同様の8分野で構成され、「AI・ITシステム」「搬送・仕分け」「物流施設・不動産」の3分野では引き続き出展が増加している。発足時の19年と比べると、展示規模は2.7倍に成長した。来場者目標は2万8000人。昨年実績の2万6270人からさらに増加を見込み、業界の熱量は最高潮に達している。

また、“新規”出展は25%、104社以上にのぼる。物流DXの多様化を背景に、これまで総務・人事領域の展示会に出展していたIT企業や、バックオフィス効率化ソリューションを提供する企業の参入も目立つ。

▲昨年度の開幕式の様子

岩本氏は、物流DXはもはや物流部門だけの話ではなく、サプライチェーン全体、さらには企業活動全体に広がる局面と分析する。クラウドカメラなどの安全・監視・映像データ管理領域や、需要予測・梱包・小売など物流の前後工程からの提案、健康管理や教育・人材育成など領域を跨いだアイデアも増えており、物流効率化の対象領域、参入企業のジャンルも広がっている。

海外からの出展増加も目立つ。特に中国企業による自動倉庫や搬送・仕分け関連ソリューションの存在感はますます高まっており、具体的な連携デモンストレーション公開など、現場実装を意識した展示も注目される。明確な判断軸を確立していかないと、多様なシステムを見て、ただ感心するだけで終わりかねない。

CLO対応と「実装フェーズ」の展示へ

見どころは展示ブースだけではない、いまだに改正物流効率化法への対応に苦慮している企業にとっては、改正法やCLO関連テーマのセミナーも必見だ。展示会期間中は特別セミナー22セッションに出展社セミナーを加えた、100セッション近くが予定されている。

▲昨年度開催の様子(出所:関西物流展事務局)

改めてCLOの意義・役割を再定義するセッションや、先進企業におけるCLO取り組みの具体的な事例報告も複数予定されており、制度理解にとどまらず、実務としての物流改革を学べる構成だ。

岩本氏は、「CLO選任だけではなく、中長期計画の作成や社内体制整備など、企業として物流効率化にどう向き合い行動するかのヒントや、CLO業務をサポートするサービスを見つけるチャンス」と位置付ける。

荷待ち・荷役時間削減や積載効率向上といった物流効率化法の数値目標達成のための直接的な改善だけでなく、社内業務の見直しやサプライチェーン全体を俯瞰した最適化など、多様なアプローチの中から自社に適したソリューションは何かを検証してほしいと呼びかける。これまで停滞しがちだった共同物流も着実に実証が重ねられており、連携の可能性を探しに来場する人も多いのではないか。

最新と思い込んでいる情報はもう、陳腐化しているかもしれない。AI(人工知能)の進化により予測や分析の精度・スピードは大きく向上し、自律的に最適化を行う「フィジカルAI」への関心も高まるなど、1年前どころか半年前ともまったく違う最新の活動やソリューションを確認することこそ重要となる。

あまりの進化の速さに“ついていけない”などと考える担当者もいるかもしれない。しかし、「これまでの苦労を知る現場担当者ほど、現在の圧倒的な効率化技術の恩恵を感じるはず」(岩本氏)であり、尻込みしていては損するだけだ。

CLOが動き出せば、見える化すべき領域や、そのために必要なソリューションも変化する。「CLOの本格始動で、ソリューションの評価軸がこれまでと変わることもあるのではないか。展示とセミナーの両方で、実装事例をアップデートして、自社物流に当てはめるシーンを想像してほしい」と岩本氏は語る。

「来場者のリテラシー」がより重要に

展示規模の拡大に伴い、選択肢は広がった。それはすなわち、数ある提案の中から自社に最適なソリューションを判断する力がより重要になっていることを意味する。

▲岩本匡史氏

岩本氏は、「出展数が増えたことで、目的を持った来場や事前リサーチがより重要になっている」と話す。担当者単位ではなく企業単位で、多岐にわたる分野ごとに担当を分担して情報収集するなど、計画的な視察が有効ではないかと提案する。

さらに今回の展示会では、物流部門やシステム担当者だけではなく、経営層・意思決定者にこそ直接見にきてもらいたいと、CLO体制下ならではの来場を強く呼びかけている。CLOの選任が義務化されるこの4月は、物流が『現場の努力』から『経営の戦略』へと昇華する象徴的なタイミングといえる。事務局の岩本氏は「このタイミングで経営層やCLO候補者が直接会場を訪れ、自社に最適なソリューションと方向性を見極めることこそが、物流革新のファクターになる」と、決断の場としての活用を強く呼びかけている。

物流を企業競争力の源泉として捉える動きが広がる中、単に情報を持ち帰って報告するのでは出遅れるだけだ。企業としての方向性を見極めて確認する場、自分ならどう使うかを判断できる場として、展示会を有効活用できることが求められる。

さらに、物流展はソリューションを比較検討する場であると同時に、企業間の情報交換や連携を生む“外交の場”としての役割も持つ。足元の課題ばかりでなく、少し目線をあげた持続可能性や人材育成、環境対策、そしてフィジカルインターネットなど、中長期のテーマを考える材料にも目を向けなくてはならない。外交の窓口となるCLOには、領域を広げた積極的な情報交換が必要だ。

「特定荷主だけでなく、そのサプライチェーンすべてに具体的な取り組みが求められ、もう様子見の段階ではない。他社のCLOはどう動いているのかなど、積み上げられていく具体的な事例をいち早くキャッチアップし、必要に応じてアプローチすることも、連携・共同の枠組みから落ちこぼれないための重要な活動になる」(岩本氏)

入場方式を刷新し、来場環境も進化

▲昨年度開催の様子(出所:関西物流展事務局)

今年度からは入場方式も刷新される。来場には事前のウェブ登録とバッジ印刷が必須となるので注意が必要である。入口ではカメラによる一括自動認識システムを採用した「ウォークスルー入場方式」が導入され、受付待機列の解消とスムーズな入退場を目指す。まさに物流業界にも求められる“効率化・待ち時間削減”の範を示す形だ。

物流効率化の制度対応が本格化するCLO元年を節目として、関西物流展での出会いや発見が新たな意味を持ち始める。物流による価値創出を、もはや決意表明で終わらせないためには、プレゼンを聞くだけで満足しないことが大事だ。

「具体的なアクションと成長につなげるためのステップが数多く集まる。各々の次のステップを見極め、受け身ではなく参加する場としてほしい」(岩本氏)

なお、「関西物流展」「LOGISTICS TODAY」それぞれの公式YouTubeチャンネルでは、「『物流報道局』関西物流展の歩き方」を動画配信している。8つのカテゴリーごとに見どころや注目ソリューションを紹介しているので、あわせて参考にしてもらいたい。

第7回 関西物流展 KANSAI LOGIX 2026 開催概要

会期:2026年4月8日(水)-10日(金)10時-17時(最終日は16時まで)
会場:インテックス大阪 4号館、5号館、6号館A·B
(大阪市住之江区南港北1-5-102)
来場方法:公式ウェブサイトでの「来場者事前登録」(登録無料)が必要。(「案内状」だけでは入場できません)
https://kansai-logix.com

関西物流展 公式チャンネル(「LOGISTICS TODAY『物流報道局』第7回関西物流展の歩き方」配信中)
https://www.youtube.com/@関西物流展

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