調査・データ岡山県貨物運送は27日、2025年度から27年度を対象とした中期経営計画「OKAKEN VISION 2027」を策定したと発表した。中期経営計画の開示は、同社にとって初めてとなる。
中期経営計画の基本戦略では、主力の特別積み合わせ運送事業に加え、拠点網を生かした物流効率の向上や輸送品質の改善、3PL事業・倉庫事業の強化、静脈物流の拡充などを重点に据える。また、共同輸配送の拡大に取り組み、JRコンテナの活用を含めた輸送モードの多角化を推進する。施設整備による働きやすい職場環境の構築も進めるとしている。そのほか、サスティナビリティ対応なども基本戦略に盛り込んでいる。
外部環境としては、緩やかな景気回復がある一方で、国内輸送量の低調推移、物価高、労働力不足、環境負荷の低減要請、株価純資産倍率(PBR)1倍割れへの対応要請など、複数の課題がある。経営課題としては、輸送量と輸送能力の確保とネットワーク維持、適正運賃の確保、人材確保・育成、CO2削減、資本効率の改善が挙げられている。
具体的な重点施策では、拠点ごとの立地を生かした貨物誘致や、同業・協力会社との路線網維持、医薬品などの特化型輸送などを示した。加えて、中国地方での需要増に備えた倉庫提案力強化による倉庫機能の拡充、中継・集約拠点の見直し、ライフライン輸送による地域への貢献も施策としている。また、⽼朽設備の改修推進、EV(電気自動車)車両の導入、ITインフラ整備やサイバーセキュリティー対応など、設備・システム両面での強化にも踏み込む。業績目標としては、2027年度に営業収益403億円、営業利益12億2000万円、経常利益15億2000万円を掲げ、営業利益率3.0%、経常利益率3.8%、ROE7%の達成を見込む。設備投資は3年間で53億2000万円を計画し、うち車両更新に24億6000万円、施設整備に22億8000万円、IT関連に5億8000万円を充てる。
サステナビリティへの取り組みでは、CO2排出量を30年度までに19年度比20%削減することを目標とし、小型EVや将来的な燃料電池大型車両の導入、再生可能エネルギーの活用などを打ち出す。人材分野では、28年度に女性管理職比率20%、男性育休取得率50%の達成を掲げ、健康経営の推進にも注力する。資本効率改善では、PBR1倍の実現を長期目標に、ROE7%達成と8%以上の定着を図る。具体策として、遊休資産の圧縮、不採算事業所の集約、政策保有株の見直し、財務レバレッジの確保などを掲げた。
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