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国内冷凍海産物市場、保存技術革新など成長後押し

2025年7月10日 (木)

調査・データReport Ocean(東京都中央区)は9日、日本の冷凍海産物市場に関するレポートを公開した。日本冷凍海産物市場は25年から33年までの期間中に年平均成長率(CAGR)2.2%で成長し、8億5700万米ドル規模から9億8000万米ドル規模に達すると予測されている。

日本は世界有数の魚介類消費国のひとつであり、ライフスタイルの変化などにより料理のプロフェッショナルや一般家庭で冷凍水産物製品の需要がますます拡大している。市場では調理済みやインスタント製品の消費量も増加しており、迅速で簡単な食事ソリューションへの需要に応えている。

冷凍技術と保管ソリューションの進歩は、日本冷凍海産物市場の成長を促進する大きな要因となっている。急速冷凍や真空密封などの新しい冷凍方法は、シーフードの味や食感、栄養価を維持しつつ、より長い保存期間を実現。これらの技術は冷凍シーフード製品の多様性を拡大するだけでなく、食品廃棄物の削減やサプライチェーンの効率化にも貢献している。エネルギー効率の高い冷蔵施設の開発も進み、配送と運営コストの削減を可能にすることで市場の成長をさらに後押ししている。

一方、市場の課題となっているのは調達における持続可能性とされている。消費者の中には過剰漁獲や調達方法が環境に与える影響に対する意識が高まっている。これらの懸念に対し、多くの企業は海洋管理協議会(MSC)の認証を取得したり、生態系保全を優先する漁場から調達を行っている。また原材料価格の変動や為替レートなどの経済要因も市場に影響を与えている。日本の水産物の多くは輸入に依存しており、貿易政策の変更や輸送コストの変動が冷凍水産物の価格に直接影響を及ぼしている。

今後は消費者ニーズの変化や技術革新、持続可能性への注目が高まることでこれらの課題にも対応し安定した成長が見込まれる。さらに冷凍水産物の調理済み食品やミールキットの普及が市場の拡大を後押しするとみられている。

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