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トランプ関税で「マイナス影響」は4割超、TDB

2025年7月11日 (金)

調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は10日、トランプ関税に対し4割を超える企業が「中長期的にマイナス影響」と見込んでいるとの意識調査結果を公表した。具体的な懸念としてコスト上昇や売上減少を挙げる声が多く、対策として企業は価格転嫁や競争力強化を検討している。

同社は6月17日から30日まで全国2万6237社を対象に、インターネットを通じて「トランプ関税」に対するアンケート調査を実施した。有効回答は1万435社(回答率39.8%)だった。

トランプ関税が自社の事業活動に与える短期的な影響(今後1年以内)について尋ねたところ、「マイナス影響がある」とする企業が40.7%、「影響はない」が33.2%だった。「プラス影響がある」とする企業はわずか0.9%にとどまった。「分からない」との回答は25.1%だった。

「マイナス影響がある」を業界別にみると、「製造」が48.7%で最も高く、「運輸・倉庫」の48.6%、「卸売」の45.7%が続いた。製造の中でも「輸送用機械・器具製造」は68.1%と7割近くに上り、多くの自動車関連の企業で警戒感が高まっている。

中長期的な影響(今後5年程度)については、「マイナス影響がある」は44.0%と短期的なマイナス影響の割合を上回った。「分からない」は38.5%となった。一方、「影響はない」とする企業は16.5%にとどまり、中長期的には、先行きの不透明感から「分からない」や、より具体的に「マイナス影響がある」と見る企業が多いことがわかる。

トランプ関税に対する具体的な影響(複数回答)については、短期的には「原材料コストの上昇」が65.3%で最も高く、次いで「売り上げの減少」(48.0%)と「物流コストの上昇」(43.7%)が4割を超えた。さらに「輸入品コストの上昇」(39.5%)、「為替変動」(29.2%)が続いた。

中長期的な影響では「原材料コストの上昇」(53.6%)が最も高く、「売り上げの減少」(39.2%)、「物流コストの上昇」(35.7%)、「輸入品コストの上昇」(33.5%)、「為替変動」(22.1%)などが続いた。

トランプ関税に対する対策の有無については、「取り組みあり」とした企業は38.9%と4割近くで、「特に取り組んでいない」は58.8%と半数を超えた。

具体的な対策について尋ねたところ、「価格転嫁」が46.8%で最も高かった。次いで「製品やサービスの付加価値を高めることによる競争力の強化」(22.5%)や「原材料コストの削減」(21.8%)、「新規市場の開拓」(19.4%)、「原材料などの調達先の変更」(18.5%)が2割前後で続いた。

同社はトランプ関税の行方が不透明な現状を受け「企業は単なる価格競争から脱却し、高付加価値製品へのシフトやデジタル技術の積極的な活用などが不可欠となる」と指摘。「政府は、国内産業への過度な負担を回避するため、米国政府との交渉を強化・継続するとともに、企業からの声に耳を傾け、具体的な影響評価に基づいた支援策の検討を進めていく必要がある」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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