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「金利上昇は経営にマイナス」運輸・倉庫は7割弱

2025年5月9日 (金)

調査・データ帝国データバンク(TDB)は8日、借入金利が上昇した場合の業績への影響について「マイナスの影響がある」と考えている企業は57.6%だったとするレポートを発表した。業界別で見ると、「運輸・倉庫」は68.1%で、不動産に次いで高かった。

調査はことし3月、金融機関による各種金利の引き上げの影響を探るため、全国2万6674社を対象に実施。1万716社から回答があった。

調査結果によると、「プラスの影響がある」は2.5%、「影響はない」は24.9%となり、合計しても3割に届かなかった。

「マイナスの影響がある」を業界別にみると、「不動産」が71.6%で最も高く、唯一7割を超えた。次いで、「運輸・倉庫」が続き、「製造」(62.4%)、「小売」(61.4%)もが6割台だった。

▲業界別の「マイナスの影響」割合(クリックで拡大、出所:帝国データバンク)

「マイナスの影響がある」とした企業に、具体的な影響を複数回答で尋ねたところ、「返済負担が増える」が69.2%で最も高かった。次いで、「利益が減る」の50.9%が続き、「資金繰りが厳しくなる」が29.8%だった。

借入金利の上昇で業績にプラス、マイナスの影響がある企業に対して、自社の事業での対処法を尋ねたところ、「事業内容は変えない」が62.2%で最も高かった。次いで「利益率の高い事業を拡大する」(15.7%)、「利益率の低い事業を縮小する」(7.5%)、「新しい事業に参入する」(5.0%)、「利益率の低い事業から撤退する」(4.9%)などが続いた。

また、今後、借入金利が1%上昇した場合、どのような対策を行うかを複数回答で尋ねたところ、「財務体質を改善する」が27.2%で最も多く、「価格転嫁(値上げ)を行う」(22.5%)、「借入金利を前倒しして返済する」(20.3%)、「金利の引き下げ交渉を行う」(20.1%)なども2割台だった。

中小企業からは「金利の上昇は経営に直結する問題。金利の上昇分以上の景気の拡大策を早急にとってほしい」と声もあったという。同社は「価格転嫁など利益を確保する経営を進めることが、企業の成長するカギとなる」と指摘している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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