ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

価格転嫁で最高評価の物流企業はゼロ、中企庁調査

2025年8月6日 (水)

調査・データ中小企業庁は5日、2025年3月の「価格交渉促進月間」のフォローアップ調査結果について、受注側中小企業10社以上から主要な取引先として名前が挙がった446社と、71の国の機関・地方公共団体について、4段階評価による発注者リストを公表した。今回の調査では、従来の「価格交渉」「価格転嫁」に加え、新たに「支払条件」を評価項目として追加。現金払いの有無や、手形などを利用する場合の支払いが交付から60日以内であるかが評価基準とされた。

▲価格交渉の状況(出所:中小企業庁)

調査は全国30万社の中小企業を対象に実施され、6万5725社から回答を得た。回収率は21.9%。調査期間は4月21日から5月30日まで。受注企業が発注企業との価格交渉や価格転嫁の状況について回答した。

物流関連では28社が評価対象となり、このうち価格交渉で最高評価(ア)を受けたのは、日鉄物流、日本郵便、全農物流、F-LINE、三菱ケミカル物流、ロジスティード中部、鴻池運輸、上組、ロジスティード東日本、丸全昭和運輸、コマツ物流、佐川急便、日本郵便輸送、日本トランスシティの14社だった。

「支払条件」では26社が最高評価を得た。ヤマト運輸、日鉄物流、日本郵便、日本梱包運輸倉庫、全農物流、F-LINE、三菱ケミカル物流、大和物流、ロジスティード中部、日本通運、名鉄NX運輸、鴻池運輸、センコー、トランコム、渋沢倉庫、上組、キリングループロジスティクス、ロジスティード東日本、山九、丸全昭和運輸、コマツ物流、佐川急便、日本郵便輸送、セイノースーパーエクスプレス、SBS東芝ロジスティクス、日本トランスシティが該当する。

一方、「価格転嫁」で最高評価を得た物流企業はなかった。ヤマト運輸、日本郵便、第一貨物、F-LINE、大和物流、ロジスティード中部、名鉄NX運輸、トランコム、渋沢倉庫、キリングループロジスティクス、ロジスティード東日本、西濃運輸、コマツ物流、佐川急便、日本郵便輸送、セイノースーパーエクスプレスの16社は、下から2番目(ウ)の評価だった。

中でも西濃運輸は、3項目すべてでウ評価となり、前回調査でも2項目で同様の評価を受けており、改善が課題となっている。このほか、第一貨物、名鉄NX運輸、セイノースーパーエクスプレスの3社も、2項目でウ評価だった。

中小企業庁は今後の対応として、中小受託取引適正化法、受託中小企業振興法に基づく詳細ルールの周知徹底、9月の価格交渉促進月間での価格交渉・転嫁の働きかけ継続を掲げる。26年1月には手形による支払いを原則禁止とする改正下請法の施行が予定されており、物流業界では支払条件の改善が進む一方、価格転嫁の実現度合いは依然として低い実態が浮き彫りとなった。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。