ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

SBS、私募ファンド活用した物流施設開発に参入

2013年12月12日 (木)

ロジスティクスSBSホールディングスは、3PL事業で必要となる大規模物流施設を開発しやすくするため、ファンドを活用した物流施設開発に本格的に乗り出す。物流企業がファンドを活用した物流施設開発を手掛けるのは珍しく、これまで以上に広域でより規模の大きな施設開発を積極化する。

西日本ロジスティクスセンターの外観

西日本ロジスティクスセンターの外観

同社は12日、三菱UFJモルガン・スタンレー証券をフィナンシャルアドバイザーとして組成される物流施設不動産私募ファンド「SBSロジファンド1号」へ、同社グループが保有する物流施設「西日本ロジスティクスセンター」(京都府京田辺市)の信託受益権の51%を売却すると発表した。売却額は28億8000万円で、同施設は子会社のエーマックスが運用する特別目的会社「新橋キャピタル」が保有している。

同社は「全方位の物流機能を有する3PL企業集団」を掲げ、物流業界トップ10入りを目指して3PL事業の拡大に取り組み、立地に優れた最先端機能を備える物流センターの開発を「M&Aと並ぶ極めて重要な成長戦略のひとつ」と位置付け、2004年以降12施設(総面積10万坪)の開発に総額500億円を投資してきたが、投資規模が年々拡大することから、資金調達手段の多様化が課題となっていた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、高機能な大型物流施設市場が拡大していることを受け、物流施設不動産私募ファンドの組成を通じ、機関投資家などに対して「中長期的に安定したキャッシュフローを裏付けとする優良な物件への投資機会の発掘」を模索。

両社の思惑が一致し、これに賛同する投資家とともに私募ファンドを組成。SBSHDは同ファンドへの物件の拠出によって、保有施設の流動化を可能とする枠組みを整備し、柔軟に物流施設を開発していく方向性を示したこととなる。

SBSロジファンド1号には、日本政策投資銀行や産業ファンド投資法人など国内の大手機関投資家などが出資。SBSグループからもエーマックスが匿名組合出資金の12.5%を出資する。今後、開発する物流施設については、施設の特性を考慮しつつファンドへの組み入れも検討する。

今回の取り組みを通じ、ファンドにグループが保有する物流施設を譲渡することで投資資金を確実に回収でき、その資金を再投資していく開発戦略の基盤を整える。また、同社施設が物流適地に立地する最新鋭施設となっていることや、これを背景として信用力の高いテナントと中長期の賃貸借契約が締結されているなどの付加価値を譲渡益として顕在化することで、収益の拡大につなげていく。

■西日本ロジスティクスセンターの概要
所在地:京都府京田辺市大住濱55番13
土地面積:2万5853m²(7821坪)
延床面積:3万3244平米(1万56坪)
竣工:2007年3月
譲渡価格:28億8000万円

■私募ファンドの概要
ファンド名:合同会社SBSロジファンド1号
スキーム:匿名組合出資による物流不動産私募ファンド
組成日:2013年12月13日
対象資産:西日本ロジスティクスセンター関連の信託受益権の51%
持分資産:31億5000万円
アセットマネージャー:BMSアセットマネジメント
投資家:日本政策投資銀行、産業ファンド投資法人、国内大手機関投資家、リース会社、SBSグループほか
運用期間:3年間