話題ソフトバンクロボティクスは、「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」で最新モデルの搬送ロボットや自動倉庫ソリューションを紹介する。それは単に個々のソリューションやサービスを紹介することだけが目的ではなく、出展する最新技術を基盤として、物流現場全体の最適化を提案し、導入前の課題整理から運用、改善まで一貫して伴走する姿勢を明確にすることが目的だ。
省スペースに優れたAMR「TUSK E10」

▲TUSK E10
今秋の出展の目玉といえるのが、パレット搬送AMR(自律走行搬送ロボット)「TUSK E10」とフォークリフトタイプAMR 「TUSK FL10」だ。どちらも自動化技術の先進国である中国のTUSKROBOTSの搬送ソリューションであり、これまでのAGV(無人搬送車)やAMRと比較しても優れた省スペース運用が強みである。

▲ロジスティクス事業本部事業企画課 解洋子氏
「現場での使いやすさと安全性を両立するTUSK E10は、特に省スペース性能が特長。その場旋回で方向を変えられるため、限られたスペース、狭い通路幅でもスムーズな搬送が可能。日本の物流現場に最適なソリューション」とロジスティクス事業本部事業企画課の解洋子氏は語る。パレット搬送に特化し、パレットより一回り大きい形状にフォークリフトの爪を備え、倉庫床に直置きした平置きパレットをそのまま持ち上げて搬送できる。「標準パレットはもちろん、車輪付きカゴ車などを水平搬送できるようなオプションにも対応可能」(解氏)である。可搬重量は1トン、さらにカスタマイズによって1.5トンまでアップでき、荷物を搭載した状態でも死角のない安全な運用が可能。まずは搬送領域だけの改善といった取り組みでも、既存の作業環境を生かした見直しができ、規模・業種を問わず活用できる。
リフト機能搭載、最新モデルのAMR「TUSK FL10」

▲TUSK FL10
もう1つ、搬送自動化ソリューションの目玉が TUSK FL10である。「TUSK FL10は最近リリースしたばかりのモデルで、展示会においてのデモ展示は国内初。TUSK E10のもつ省スペース性能に加えて、リフティング機能を搭載し、多様なパレットに対応できるのが特長」(解氏)だ。その場旋回などコンパクトな走行性能と1トンの可搬力はそのまま、横向き走行が可能なため、通路幅2メートル以下のラック間通路でもスムーズな荷扱いができる。リフト機能などの自動フォークリフトの機能を備え、コンベヤーへの連携やラック格納までも自動化、さらに田の字パレットや両面パレットなど、より多様なパレット搬送に対応する。

▲ロジスティクス事業本部事業企画課 横山聖弥氏
ロジスティクス事業本部事業企画課の横山聖弥氏は、今回特に搬送領域の新たなソリューション提案に注力した理由について、「自動化の第一歩として、まず搬送領域の効率化の相談が多い」ためと語る。他工程の運用を大きく変えずに搬送作業を省人化できるほか、比較的低コストで自動化に取り組めるため、特に中小企業では搬送領域を切り口とした自動化が「現実的な取り組み」として模索されている状況だ。
同社は「フォークオペレーション最適化支援」サービスの提供も開始した。現地調査とデータ分析に基づいてフォークリフトの稼働状況を可視化。豊富なラインアップの中から現場に適したモデルを提案し、導入検討から運用まで一貫した搬送最適化を支援する。
「PUDU T300」と「AutoStore」にも注目、幅広い最適化提案
もちろんTUSKROBOTSのAMRだけが“正解”ではない。搬送対象がパレットではない場合は、箱単位やカートン単位の搬送に優れた搬送ロボット「PUDU T300」にも注目だ。最大積載量300キロ、最小通行幅60センチのAMRで、通常搬送以外にもリフティングモード、けん引モードが選択できる。けん引モードでは最大400キロまでけん引が可能。また自動追尾機能も搭載しており、自動搬送のみならず従業員との共同作業を行うことで負担軽減と業務の効率化を図ることができる。

▲左からPUDU T300、AutoStore
さらに今回は、自動倉庫の代名詞ともいえる高密度自動倉庫システム「AutoStore」のデモ機も展示する。高密度保管と迅速かつ正確なピッキングを両立するAutoStoreとほかのソリューションを組み合わせ、庫内全域のトータルソリューションとしてさらなる効率化の方向性を検証できる。「人手不足は深刻化するばかり、自動化は必須の取り組みだが正解はそれぞれ違うはず。私たちが提供できるのは、ユーザーの声を直接聞きながら、最適な運用を一緒に考え、伴走型で自動化を支援すること」(解氏)だという。
同社は2014年に人型ロボット「Pepper」(ペッパー)の提供をスタートし、清掃ロボットや配膳・運搬ロボットなど多様なサービスロボットで経験を積んできた。ロジスティクス事業では、これまでのロボット事業で培った開発・運用・保守の豊富なノウハウを物流領域にも展開し、業界への貢献を目指す。
そもそも、どこから自動化に着手していいか分からない相談には、「1day 物流診断サービス」も用意し、自動化の入り口へ誘導する。製品の枠に縛られず、多様な選択肢の中から現場ごとの最適解を提案できるのは、自動化機器やマテハンの専門メーカーにはできない提案であろう。販売することがゴールではなく、未来の物流の姿を共に描くパートナーとして伴走するのが同社の姿勢だ。導入だけでなく、相談から運用サポートまで、一貫して寄り添い、長く安心して活用できるサービス体制こそが、ソフトバンクロボティクスならではの提供価値である。
「国際物流総合展 2025 第4回 INNOVATION EXPO」
日時:9月10日-12日 10時-17時
会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場)東4-8ホール
*保管業務効率化ゾーン(ブース番号 5-407)
TUSKROBOTS
https://www.softbankrobotics.com/jp/product/logistics/tusk/
AutoStore
https://www.softbankrobotics.com/jp/product/logistics/autostore/
PUDU T300
https://www.softbankrobotics.com/jp/product/transport/t300/
1day 物流診断サービス
https://www.softbankrobotics.com/jp/event/logistics-consulting/
フォークオペレーション最適化支援
https://www.softbankrobotics.com/jp/event/fork-support/