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国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPOの見どころ解説

来場者・出展者が物流と社会を動かし続ける推進力

2025年8月26日 (火)

話題「物流を止めない。社会を動かす。」-今秋開催される「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」のテーマには、物流改革を見据えた強い決意がうかがえる。

持続可能な社会を作るとはどういうことなのか。物流はそこにどんな価値をもたらすのか。これまでは不可能だったことを可能にする技術も誕生している。文字通り日進月歩の進化を体感できる場がINNOVATION EXPOとなるだろう。

今回、展示会を主催する7団体の1つである日本ロジスティクスシステム協会(JILS)から、JILS総合研究所の第1部マネージャー・大西康晴氏、同じくプログラムプランナー・平山祐希氏に、「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」の見どころについて話を聞くことができた。

<インタビュー全編>

新規出展など最大規模のINNOVATION EXPO開催

▲プログラムプランナー・平山祐希氏

INNOVATION EXPOは、レギュラー展示会としての「国際総合物流展」のスピンオフ企画として誕生した。2016年から偶数年に隔年開催していた国際物流総合展に加えて、19年からはINNOVATION EXPOの奇数年開催による両輪稼動となった。2年に1回の展示会では、社会の急速な変化に対応できないことから企画されたINNOVATION EXPOだけに、改正法などポスト24年対応ポストのための情報を最新バージョンに更新する機会となる。

平山氏は、「新しい製品開発の動きは早い。今を見てもらうことに意味があり、社会課題に対してどう物流を変えていけるのか、さらに次の取り組みを促す、未来を意識した出展」が、INNOVATION EXPOの醍醐味だと語る。

大西氏は、来場者が国際物流総合展とINNOVATION EXPOの違いをことさらに意識する必要はないとしながらも、「一歩先の提案を、どう活用していくか」という観点が、より有意義に展示会をまわるためのポイントになるのではという。必要に迫られてという来場ももちろん重要だが、社会の変化や今後のリスクなど、未来を見据えた多数の提案が一堂に会するチャンスであることを強調する。

「今回は新規出展も多い。新しいサービスを訴求できるタイミングでの開催であり、スタートアップの参加も注目」(平山氏)される。また、これまで継続して出展している企業出展では、以前よりもどう進化したのか、現場実装でどのような効果があり、どのような改善につながったのかなど、より具体的なイメージを確認することもできるだろう。

改正物効法施行後はじめての開催であり、さらにはCLO(物流統括管理者)選任義務化、特定荷主事業者へのより厳密な物流効率化の取り組み義務化まで1年を切ったタイミングでの開催でもある。法令対応への取り組み動向など、最新情報を収集する場としても重要な機会となる。最新のソリューションやサービスだけではなく、課題感を持った来場者がこれだけ集まる機会、生の声が聞けるチャンスはない。

物流への意識の高まりとともに、年々右肩上がりで来場者が増加しており、今回の開催はINNOVATION EXPOとしては過去最大規模となる、462社・団体、1859ブースが予定されており、6万人を見込む来場予定者が、次代の物流を動かす推進力となることが期待される。

来場者それぞれが体現する、「物流を止めない。社会を動かす。」

▲第1部マネージャー・大西康晴氏

昨年、米国の物流展示会を視察したという大西氏は、「日本と比較して、システム連携、インテグレーターとしてのアピールが多い」という印象を受けたという。日本ではまだ、個別のソリューションやサービス単位のアピールにとどまっている傾向が強いが、今後は連携による使いやすさ、標準化に重きを置いた出展の比率も高まってくるのではと期待を寄せ、主催者として積極的に働きかけていくことも想定する。ソリューション投資への余力がある大企業だけではなく、中小企業などがより自動化や省人化を導入しやすい環境作り、DX(デジタルトランスフォーメーション)を試してみることができる体制作りなど、INNOVATION EXPOが先導していく領域となるだろう。

目指すのは、単なる製品やサービスの紹介にとどまらず、物流の変化を“体感”できるような展示会である。社会インフラとしての物流は、産業界成長の礎である。「物流を止めない。社会を動かす。」というテーマには、“自分自身が動く”、展示会に足を運ぶというアクションを起こすことの重要性を訴えている。スタートアップ企業の新たな提案、今までなかったようなサービス、既存のソリューションをブラッシュアップした取り組みなど、多数の出展をINNOVATION EXPO最大規模でみることができるチャンスを逃さず、アクションを起こすことが重要だ。

平山氏は「主催者企画にも注目してもらいたい」と語り、ラストマイルにフォーカスした新たな物流提案として、ドローン、自動配送ロボットがどう使えるかなど、社会を動かすための問いかけを用意する。「会場では、いろんな出会いがあるはず。想定していなかった出展者との新たな出会いがあるのも、展示会の醍醐味」と、来場を呼びかける。

ブースごとの提案やアイデアを、実効性のあるソリューションとして連携させることができるのは、たくさんのブースをまわる来場者なのかもしれない。自身が積極的に動き、声をかけることが、「物流を止めない。社会を動かす。」を体現することなのだ。