調査・データ矢野経済研究所(東京都中野区)は26日、国内の段ボール生産量は物価高による消費者の買い控えの影響で、ことしは減少が見込まれるとした市場調査レポート「2025年版 段ボール市場の展望と戦略」を先月29日に販売開始したと発表した。段ボールの需要動向や各メーカーの事業戦略、市場の将来予測などを詳細に解説している。
レポートによると、24年の段ボール市場は、前年から続く物価高による買い控えの影響を大きく受けた。嗜好品を中心に食品の需要が減少し、日用品の家庭内備蓄需要も抑制されたうえ、青果物も猛暑の影響などで引き続き振るわなかった。また、これまで段ボール需要の伸びをけん引してきた通販や宅配、引越分野でも需要が減少し始めている。
25年に入っても段ボール生産量の減少が続いており、緩やかながらプラス成長していた段ボール最大の需要先、加工食品(飲料含む)向けもマイナスに転じた。物価高による買い控えの影響が続くなか、下支えしていた飲料需要がやや落ち着いてきたことでマイナスに振れたものとみられる。
そのほかの需要分野でも、復調しているのは通販・宅配・引っ越し分野程度で、落ち着きをみせていた飲料向けでも、25年10月から2200品目以上の清涼飲料・酒類が値上げされたことから、今後の需要見通しは不明瞭明となっている。そのため、同社は年間の段ボール生産量について、再び減少すると見込んだ。
また、原紙メーカーではことし10月出荷分から原紙価格を値上げした。通例では原紙価格の改定から遅れて、半年から1年後に製品の価格改定が発表されるが、今回は、原紙と製品を生産している一貫メーカーや、大手段ボールメーカーが同時期に製品価格の改定を発表し、原紙と製品の同時値上げという事態になった。
一方で、段ボール需要が低調に推移していることから、中堅・中小の独立系地場段ボールメーカーは値上げしにくい状況にある。
レポートでは、メーカーの経営戦略や、需要分野別・地域別の段ボールの需要動向を基に、段ボール市場を取り巻く現状と問題点を分析、段ボール市場の将来を予測している。
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